Sam's e-AT Lab

障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic Assistive Technology=電子的支援技術)に関する話題

現任校では、ローコスト視線入力装置Tobii Eye Tracker 4Cを使って子どもたちが絵を描く学習において、Tux Paintという描画アプリとmiyasuku EyeCon LT(またはmiyasuku EyeCon Mouse)を使っています。

SamのブログやFacebookをご覧になられた方から「Tux Paintを使って視線入力で絵を描く時、マウスポインターをドラッグするにはどうしたら良いでしょうか?」という質問をいただきました。
Tux Paintはドロー系の描画アプリですから、線を引くなどの操作をするにはマウスポインターをドラッグ(左クリックを押し下げた状態のまま移動させる)しなければなりません。
実は、Tux Paintには、左クリックを押し下げた状態にしておく機能が備わっているのですが、あまり知られていないのでザックリと紹介してみます。

Tux Paintをダウンロード&インストールすると、Configure Tux Paintという設定アプリも一緒にインストールされます。
①Configure Tux Paintを起動します。
すると、Tux Paint Config v◯.◯.◯というウィンドウが開きます(◯◯◯はバージョンを表す数字です)。
 ↓ ↓ ↓
TuxPaintCofigの画面
②上画像の【操作】というタブをクリックします。
すると、下の画面が表われます。
TuxPaint操作の画面
ここで【マウスクリックのトグル動作】という項目をクリックしてチェックマークを付けて【適用】をクリックすると、マウスの左クリックを押し下げたままの状態を維持することができるようになります。
この操作によって、ドラッグ操作が可能になり視線を動かせば線画を描き続けることができるようになります。

また、Tux Paintには、マウスポインターをウィンドウの外に飛び出させない機能も備わっています。
TuxPaintCofigの画面
③上画像の【マウス/キーボード】というタブをクリックします。
すると、下の画面が表われます。
TuxPaintマウスキーボードの画面
ここで【マウスポインターを奪う】という項目をクリックしてチェックマークを付けて【適用】をクリックすると、マウスポインターをウィンドウの外に飛び出させないようにできます。

この2つの操作によって、線画を描きやすくなると思いますので、ぜひ試してみてください。
なお、学校のように1台のパソコンを複数名で使うような場合、設定を適用するユーザーは【全てのユーザー】を選んでおけば間違いないと思います。
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東京から岩手に遠征している間に、iOSが11.4.1から12.0にバージョンアップされました。
気になるアクセシビリティについてですが、これから検証していかなければならないなぁと思っていたところ、指伝話さんからiOS12の新しいスイッチコントロールの機能に関する情報が届きました!
 ↓ ↓ ↓
https://yubidenwa.jp/switch/ios12/

その中で気になる点を引用させていただきます。


1)スイッチコントロールのポイントハイライトの「シングル」
従来は、高精度ポインタのオン・オフだけでしたが、シングル・微調整・正確の3種類から選択するようになりました。

iOS12【スイッチコントロール】ポイントハイライト
iOS12【スイッチコントロール】選択モード


2)スイッチコントロールのハイライトメニュー項目「ショートカット」
スイッチコントロールのハイライトメニューの最上位レベルに「ショートカット」が追加されました。Siriのショートカットをハイライトメニューから選択できるようになります。

iOS12【スイッチコントロール】最上位メニュー


3)スイッチコントロールのハイライトメニュー項目「Split View」
スイッチコントロールのハイライトメニューの「最上位レベル」にあった「サイドApp」は「Split View」に名称が変更になりました。

4)スイッチコントロールのハイライトメニュー項目「Appスイッチャー」
スイッチコントロールのハイライトメニューの「デバイス」の「マルチタスク」は「Appスイッチャー」に変更されました。

iOS12【スイッチコントロール】デバイスメニュー

写真は手持ちのiPhoneでスクリーンショットを撮ったものなので、3)についてはありませんが、いずれも便利になった気がします。

高橋 宜盟さん、Web情報をシェアすることを承認していただき、ありがとうございました。


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何度もお知らせしてきた☆ビュッフェ形式☆実践者のための視線&スイッチ入力のシンポジウム in 盛岡に参加してきました。
180917視線&スイッチ入力シンポジウム案内
講師陣はいずれも素晴らしい実践をされていますので、聞いた内容が明日から使える内容ばかりだったと思います。
詳しくレポを書きたいのですが、Samも午前中は事例紹介、午後はビュッフェ形式のブースを担当していましたので、他のブースのことが分かりません。

ということで、盗撮した写真を
 ↓ ↓ ↓
原田氏の発表in視線シンポ
菊池氏の発表in視線シンポ
及川氏の発表in視線シンポ
引地氏の発表in視線シンポ
Facebook友達からいただいたブースの写真
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Samのブースin視線シンポ
そんな折、主催者のお一人である小川晃子さんが所属しておられる岩手県立大学のFacebookページで以下のような紹介が書いてあることを発見しました。


<重度障害者を支援する>実践者のための視線&スイッチ入力シンポジウムin盛岡がアイーナキャンパスで開催されました。
本シンポジウムは、島根大学の伊藤先生(本学卒業生)や本学社会福祉学部の小川先生などが主催したもので、実際に障害を持っている方や一緒に関わっている方が講師となり、事例紹介やビュッフェ形式の個別指導などを行いました。

講演では、手や足がうまく動かなくてもパソコンやスマートフォンを活用することで、視線やスイッチを使ってしっかりと自分の考えを伝えることができること、できない理由を探すのではなく、できることを探し、それを活かし、発展させていくことの大切さを教えていただきました。

また、学ぶだけではなく、これらの情報を広く発信し、困っている方に一人でも多く伝えていくこと、その周りにいる方にも知ってもらうこと、それが未来への一歩につながることも教えていただきました。
シンポジウムは笑顔と笑い声にあふれていました。

シンポジウムの様子はテレビ岩手のニュース(11:40放送)で放送されましたので、こちらもあわせてご覧ください。
http://news.tvi.jp/index_78919939.html
最後に書いてあるテレビ岩手のニュースはこちらからご覧いただけます。
 ↓ ↓ ↓
http://news.tvi.jp/index_78919939.html
お昼のニュースですから、期限がくると削除されると思われますので、お早めにどうぞ。

また、パネルディスカッションの様子は原田美代子さんが撮影してくださってYouTubeにアップしていただいています。
コチラからご覧いただけますので、興味のある方はどうぞ。
 ↓ ↓ ↓
https://youtu.be/SHTh-1lenbM
集合写真in視線シンポ
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2018年7月6日(金)に予定されていた現任校のPTA主催平成30年度第1回保護者向けICT活用講座ですが、当日が大雨による臨時休校になり延期(T_T)
仕切り直しをして、二学期が始まったばかりの8月31日(金)10:30〜12:00に開催しました。

講演のタイトルは、「肢体不自由児が抱える困難さを軽減するためのICT・ATの活用」です。
保護者向け講座の様子
講演した内容の概要は、以下のとおりです。


①2018(平成30)年5月25日の国会で改正された学校教育法(来年4月1日施行) により、紙の教科書に加えてデジタル教科書も正式な教科書として使えるようになったことを受けて、デジタル教科書のメリットと課題について

②肢体不自由児が抱える種々の困難さを軽減するためには、障害=できないことに着目するのではなく「デキル」ことを活かすという見方・捉え方が重要であり、それを具現化する手段の一つがテクノロジーであるということ

③テクノロジーの活用が将来の暮らし(自立や社会参加)に寄与する可能性について


「当日、参加できなかった保護者に見てもらいたい」というPTA役員さんの要望を受けて、同僚に撮影してもらった動画をYouTubeにアップしました。
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https://youtu.be/TwkcTH49Dp0
なお、当日配布した資料についてもコチラで公開します。
 ↓ ↓ ↓
配布資料(PDF)

次回は、10月31日(水)10:30〜12:00に電動移動装置DonDonIkoo(ドンドンイコー)の紹介をする予定です。
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2018年9月15日(土)伊藤史人さんと引地晶久さんと一緒に車椅子トラベラーMiyoこと三代達也(みよたつや)さんの【車いす単独世界一周帰国報告会】に参加してきました。
  ↓  ↓  ↓
https://www.his-barrierfree.com/LP/miyo/

会場に到着すると、壁に貼られた写真とテーブルに並べられた荷物が目に飛び込んできました。
車いすで移動するわけですから、キャリーケースをコロコロと持ち運ぶことはできないので、できるだけ荷物は少なくしないといけないということで、テーブルにならんだ荷物のみが旅の装備品だったそうです。
写真は、オープニング前にテーブルの装備品について説明してくれている三代さん。
 ↓ ↓ ↓
三代さんが一人旅した時の装備
三代さんの講演スタート
三代さんが世界一周したルート
まずは、世界一周の旅に出たきっかけを話してくださいました。
三代さんは18歳の時、バイクの事故で頚椎損傷で2年間入院。
入院期間中、何もやる気が起きない日々を過ごしていた時、同室の患者さんから「いろんなことにチャレンジしたらどうだ?東京に来い!」と言われて、茨城県を出て東京で一人暮らしを始め、車椅子バスケットボールや仕事を始められたそうです。

でも、なかなか前向きな気持ちになれなかった三代さん。
仕事先の同僚から海外旅行を勧められてHISへ。
初の海外旅行先は4泊5日のハワイ。
そこで、海外旅行の面白さに出会ったそうです。

昼間は日本人だらけのホノルルにげんなりしていた夜、一人でバーへ。
そこで、ある一人の青年(見るからにヤンキーっぽかったそうです)が近づいてきて「なんかヤバいなぁ」と思ってたら「何しに来たの?」「何で車いすに乗ってるの?」「どこが動くの?」「何ができるの?」と質問攻めに。
「日本だったら、車いすの人を見かけても素通りする人しかいないのに、こいつは何じゃ?」と思った三代さんは、すっかり意気投合。

しばらく一緒にビールを飲んだり踊ったりしていた三代さんですが、尿意をもよおしたので「ホテルに戻るわ」と帰ろうとしたら、その彼が「トイレなら奥にあるから行って来いよ。待ってるから」と言われ、しぶしぶトイレへ。
トイレに行ってみたら、車いすが3~4台は入れるほどの広さにビックリ!
ハワイを含むアメリカはADAという法律があるので、公共的な場所は障害者がアクセスしやすくなっていないとダメなので、三代さんが立ち寄った小さなバーでもそうなっているのです。

この4泊5日のハワイ旅行で「すごいぞアメリカ!すごいぞ外国!こりゃ世界の国がどうなってるのか見て回ろう!」と思った三代さん、帰国後、「やりたいことが見つかったので仕事を辞めさせてください」と退職。
そして、アメリカLAに約2ヶ月住み、その後、ワーキングホリディ制度を利用してオーストラリアへ1年間在住。

すっかり外国の暮らしが好きになった三代さんは、帰国後「やっぱ自分には旅が一番!」「自分が旅をした結果、他の誰かが『車いすの自分でも旅ができるんじゃないかな』と思えるような発信をする旅をしたい。」と思い、バリアフリー情報を発信するための世界一周を思い立ったそうです。
そこで使ったアプリがWheelog
三代さんが残したバリアフリーに関するログ
実際に外国を回ってみると、国の事情によって通行上のバリアには格差があるけれど、心のバリアが少ない国が多いと感じたそうです。
ほとんどの人がフレンドリーで、段差がある場所などでは通行中の人が足を止めて手伝ってくれることが多かったと話す三代さん。

車いすで一人旅をする際のアドバイスとして、以下のことを教えてくださいました。
①車椅子のクッションは、エアー製(三代さんは普段ロホクッションを使っておられるそうです)だと飛行機の中でパンパンになるので、ジェル製が良い。
②海外の道路は悪路が多いので、車椅子のタイヤはノーパンクタイヤが良い。
③前輪が壊れた時のために工具を持って行っておくと良い。
④国ごと、地域ごとに道のバリアの種類は違うので、Google earthやストリートビューで事前に地形を調べておく
⑤体調管理は、最も難しいが最も大事なこと。国によっては、大気汚染、害虫、気温の変化などに気をつける必要があるので、事前に流行ってる病気や薬の情報を調べておくと良い。
⑥油断は危険を生むので、何かあった時の対処法を考えておくと良い。ある国でシャワーを浴びていると、シャワーチェアが命からがら這って外に出たという経験から、「今からシャワーを浴びるんだけど、1時間経ってフロントに来なかったら部屋を見に来てね」とホテルの人に伝えたというエピソードを紹介されました。
⑦それぞれの国には独自の文化や風習があるし、良い人も悪い人もいるので、旅行前にその地域の犯罪や詐欺被害について調べておくと良い。

三代さんの話は実体験に基づく内容だった上に、話がとても面白くあっと言う間の2時間でした。
まだまだ書ききれない部分はありますが、Samの記憶容量がMAXになったので、続きは三代達也さんの【車椅子世界一周ブログ】をご覧ください。
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会場には、織田 友理子さんも来られていましたので初対面のご挨拶をさせていただき、一緒に記念写真を撮りました。
 ↓ ↓ ↓
三代さんの講演後に撮った記念写真
左からSam、引地晶久さん、三代達也さん、伊藤史人さん、織田 友理子さんです。
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