2019年2月20日と2月21日のWeb配信で、とても興味深いタイトルの情報が流れてきました。

重度障がい者の「働く」喜び――“分身”ワークや「寝たきり社長」〜Yahoo!ニュースから

世界が注目!!分身ロボット〜NHK探検バクモンから
北海道に注目 障害者の働き方〜NHK NEWS WEBから

いずれの情報も「働く」「ICT」がキーワードとなっている障害者の働き方に関する内容です。
パソコンを使う車いす青年のイラスト
Web上の情報ですから、しばらくすると見られなくなりそうなので、備忘録として...

以下、重度障がい者の「働く」喜び――“分身”ワークや「寝たきり社長」から引用します。


昨年11月、ロボットがサーブする「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」が、東京都港区のオフィスビルに期間限定でオープンした。
ロボットの名称は「OriHime(オリヒメ)-D」。

身長120センチの人型ロボットが、なめらかにテーブルに近づいてくる。
「お待たせしました! ブレンドコーヒーが四つ。トレイから受け取ってください」 女性の声が内蔵スピーカーを通じて聞こえてくる。

客席から「ありがとう」「いただきます」などと声が掛かると、ロボットの頭部が左右に動き、一人ひとりと目が合う。
胸元のカードには「ふーちゃん。島根県在住。チーズと麻婆豆腐が好き」と書かれている。

「ふーちゃん」とは、島根県松江市に住む三好史子さん(24)。
オリヒメを遠隔操作する「パイロット」だ。

三好さんは、脊髄性筋萎縮症(SMA)II型という疾患を有している。
筋肉が中枢神経からの信号を受信できなくなって、徐々に筋力の低下や筋の萎縮がおこる難病だ。
着替え、トイレ、車いすへの移乗など日常生活全般に介助が必要で、外出は困難。

「分身ロボットカフェ」は、テレワークから一歩進んだ、いわば「アバター(分身)ワーク」の試みだ。

三好さんをはじめとする重度障がい者10人が「パイロット」として採用され、オリヒメを操作する。
指を動かせない人は視線で入力できるソフトを使う。
パイロットはシフト制で、時給は1000円だ。

三好さんは2013年に島根県立江津清和養護学校の高等部を卒業した。
当時は医療的ケアが必要な障がい児や重症心身障がい児も利用できる医療型の障がい児入所施設で暮らしていた。

働きたいと望んだが、得られたのはシール貼りやデータ入力の仕事、人形の土台を作る軽作業のみ。

「施設の自分の部屋で、内職みたいにしていました」

三好さんにとって、「分身ロボットカフェ」での仕事はすべてが「心が躍るような経験」だった。
「すれ違いざまにオリヒメ同士で手を振ったり、声を掛け合ったり。同僚ってこんな感じなのかなって。

従来の在宅ワークでは『職場感』みたいなものはなかなか味わえなかったんです」



三好さんの「アバター」として活躍したオリヒメを開発したのが、オリィ研究所代表・吉藤健太朗さん(31)だ。

吉藤さんは、今回のカフェを「公開実験」と位置付ける。

「実験結果として最も重視したのは、働いて面白いかどうかです。面白くない仕事だったらAIに任せればいいんです。店員として働いていた10人はみんな『夢のような時間だった』と言ってくれました。働くうちに仲間意識が一気に向上して、最終日に近づくころにはロボットとスタッフとで『イエーイ』ってハイタッチしていたり」



「寝たきり社長」が経営する会社

愛知県東海市の住宅街。
あるアパートの一室に、佐藤仙務(ひさむ)さん(27)を訪ねた。

「寝たきり社長」と称して、ウェブサイトや印刷物のデザイン・制作を請け負う会社「仙拓」を経営している。
初の決算は2012年5月で、売上高は76万750円だった。
それから7年。
「売上高は、初決算から約10倍には伸ばしています」佐藤さんも三好さんと同じ脊髄性筋萎縮症だ。

実際、重度障がい者の就労は「稼ぐ」というイメージからはほど遠い。
就労系の障がい福祉サービス「就労継続支援B型事業(以下、B型事業)」で働く人の平均工賃は、全国平均で月額1万5603円 (2017年度)。
雇用契約を結ばないため、最低賃金の適用外だ。

佐藤さんは「障がい者が働くというイメージを、根っこのところから変えていきたい」と力を込めて話す。

現在、仙拓で働く社員は7人、フリーランスの外部スタッフが3人。
全員が在宅勤務で、重度の障がいがあり家族による介護を受けている人、宗本さんのように病室で勤務する人など、状況はさまざま。
1日に数時間だけ働く人もいるし、週に数日だけ働く人もいる。

仙拓では、働く人の個々の事情や要望に合わせるために、クラウドによる勤怠管理システムを使い、時給換算で月給を支払う。

「僕は最近、障がい者が働くうえで、必ずしも既存の『障がい者雇用』の枠組みでなくてもいいんじゃないかということを考えていて。というのは、働き方っていろいろあっていいと思うからなんです。うちには障がい者のほかに、健常者で子育てや家事を優先させて働く人もいます」

「分身ロボットカフェ」の「アバター就労」の実験。
「寝たきり社長」が取り組む、障がい者雇用の枠組みを飛び出した会社経営。

働き方改革や女性活躍が言われるなかで、重度障がい者自身による挑戦は、「なぜ働きたいのか」「どんなふうに働きたいのか」を私たちに問い掛ける。

以下、世界が注目!!分身ロボットから引用します。


家に分身ロボットを置いて、単身赴任中のお父さんが操作する。

ロボットを通じてお父さんが「帰宅」し、家族と同じテレビを見て、同じところで笑える時間を共有する。

そんな分身ロボットを開発した吉藤健太朗さんは、世界から注目される人物だ。

吉藤さんは、分身ロボットで「存在感」を伝え、人が感じる孤独感の解消を目指しているという。


以下、北海道に注目 障害者の働き方から引用します。


北海道で始まっている障害者の新たな働き方が全国から注目されています。

キーワードは“離れた場所で柔軟に”。

道内の障害者の新たな働き方として広がりをみせているのが「テレワーク」です。

テレワークはパソコンやインターネットなどを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、雪が多く広大な北海道の障害者にとってはメリットが大きいとされています。

そのテレワークで働いている1人が、道南の八雲町に住む宮川和也さん(19)です。

宮川さんは全身の筋肉が萎縮する筋ジストロフィーを患い、町内にある国立病院機構八雲病院に入院していますが、病室とは別の部屋にノートパソコンなどを持ち込んで働いています。

宮川さんは去年、札幌市の賃貸物件を管理する会社に就職し、今は広報担当として会社のフェイスブックの更新や社外報の制作を手がけています。

就職を希望した当初は通勤が大きなネックになったという宮川さんはテレワークについて、「僕たちに合ったすごく働きやすい就労方法だと思います。病院の外でも社会の組織に所属しているという“所属感”が強いので、社会の一員なんだと実感できます」と話しています。

いずれも、外出が困難な重度の肢体不自由者のことが書かれていますが、両者に共通しているのが「ICTの活用」と「自宅にいながらでも働ける仕組み」です。

Samも含めた特別支援教育に携わる教員にとって、子どもたちの自立と社会参加は究極の目標であり、そのために必要な教育内容を選定し方法を工夫しながら力を伸ばしていくことが責務であると考えています。

しかしながら、テレワークやアバターワークができるインフラが整ってきている時代なのに、特別支援学校にはそれを体験できる環境が整っていません。

「学習指導要領が変わったので、それに対応しないといけない」と現場で言っている間に世の中はもっと先に進んでいます。

世の中の動きを踏まえた上で教育内容を変えていく柔軟さが必要だと思います。