肢体不自由児が在籍する現任校では、WindowsパソコンやiPadといったICT機器に入力する方法を一人ひとり工夫する必要があります。
その際、学習時における姿勢の保持・変換能力やICT機器に入力する際に利用する身体部位の動作能力を評価した上で、本人と相談しながら入力方法を試しています。

Eye Trackerを利用した視線で入力する方法を試している子どもたちの中に、「上瞼のまつ毛が多く下向きになっている」「目が極端に細い(=瞼を開けづらい)」「眼振がある」「首が反り返るように伸展性筋緊張が亢進する」といった要因で、視線を動かしたり留めたりすることが難しくEye Trackerが子どもの眼球を認識しなくなるケースがあります。
そのような場合、顔(=頭)を比較的自由に動かせる子どもには、Face Tracking(「Head Tracking」とも言います)入力を試してもらうことがあります。
Face Tracking入力装置として、テクノツール株式会社さんが輸入販売している装着型エアマウスZonoや米国AbleNet社のTrackerPro 2が有名ですが、高価なため公費で購入するのは難しい状況です。
miyasuku KeyboardをZonoで
iPadに取り付けたTrackerPro 2
そこで、現在試しているのがCamera MouseというWindowsPC用アプリとWebカメラを利用したFace Tracking(Head Tracking)入力です。
Camera Mouseは、ボストン大学のJames Gips教授とMargrit Betke教授によって開発され、無償提供されているWindowsPC用アプリです。
WindowsノートPCの内蔵カメラや外付けWebカメラで読み取ったユーザーの顔(=頭)の動きをマウスポインターの動きに変換する機能があります。
Camera Mouseのサイト
現任校の小学生がWebカメラとCamera Mouseを利用して入力練習アプリで学習している様子をYouTubeにアップしました。
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210121小5年-Camera Mouseを利用したFace Tracking入力で絵&文字のマッチング学習20210130_#0546

なお、Camera Mouseの設定方法などの詳細は、いつもお世話になっているバリアフリーパソコンサポートまほろばさんのサイトで紹介してありますので、コチラをチェックしてみてください。
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顔でマウスを操作する 1
Camera Mouseを起動した画面