Sam's e-AT Lab

障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic Assistive Technology=電子的支援技術)に関する話題

カテゴリ: Windows

Samの地元である福岡市教育委員会は、児童生徒の学習用パソコンおよび教師の指導用パソコンを5年間リースで各学校に導入しています。

現任校に導入されていた児童生徒の学習用パソコン(タッチパネルディスプレイ付きデスクトップ型Windows PCが4台、タッチパネル内蔵のクラムシェルノート型Windows PCが3台、タッチパネル内蔵の2in1型Windows PCが3台の計13台)と教師の指導用パソコン(デスクトップ型Windows PC)1台が2019年3月下旬にリース更新されました。

その情報を2018年初秋にキャッチしましたので、学校長を通じて「視線入力ができるスペック(CPUはCore i5以上、メモリ8GB以上、SSD512GB以上)のタッチパネル内蔵のWindows10ノートパソコンおよび視線入力練習用アプリ」を要望しました。

その結果、導入された視線入力練習用アプリの一つが、東京都立特別支援学校の教員をしている谷本 式慶さんに教えてもらっていたSensory Eye-FXです。
Sensory Eye-FX121
30種類のコンテンツがあるSensory Eye-FXは5つの段階ごとに分類されていて、たいへん良く考えられており、「見ると画面が変化する」という因果関係の理解や注追視する能力の向上を図る学習に利用できます。

ひいては、DropTalkのようなVOCAアプリの利用や文字入力に発展させていくことに繋がるのではないかと思います。

実際に使うには、Tobii Technology社のEye Tracker 4Cのような視線追跡装置=Eye Trackerと視線マウスアプリmiyasuku EyeCon LTを利用して視線で入力します(もちろん、マウスなどのポインティングデバイスでも作動しますが、視線入力の練習用として開発されているようです)。

そんなSensory Eye-FXを現任校の子どもたちが利用している動画をYouTubeにアップしました。

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読者のみなさん、パソコンは何をお使いですか?
Windowsですか?それともMacでしょうか?

「パソコンのMicrosoft Officeで作った文書ファイルをiDevices(iPhone・iPad・iPod touchの総称です)に送りたいなぁ」とか「パソコンに保存している写真や動画をiDevicesに送りたいなぁ」とか「iDevicesにあるPDFファイルをパソコンに送りたいなぁ」と思ったことはありませんか?

そんな時、SamはiOSアプリDocumentsと職場のWindowsパソコンにインストールされたiTunesを使って、iDevicesとパソコン間で各種データのやり取りをしています。
iOSアプリ【Documents】のアイコン
先日、現任校のPTA役員さんから「iPhoneのDropboxに入れたWordデータをPTAのWindowsパソコンに移したいんですが、どうにかできませんか?」と尋ねられましたので、「iPhoneにDocumentsをインストールして、PTAのWindowsパソコンにiTunesをインストールすれば、iTunesのファイル共有という機能を使ってデータを移すことができますよ」と答えて、そのやり方をお教えしました。

すると、「これは便利ですね。このやり方のマニュアルはありませんか?」と尋ねられましたので、「やり方を動画化してYouTubeにアップしましょうか」と答えたところ「お願いします」と言われましたので、同僚に協力してもらって動画を撮影してYouTubeにアップしました。

現任校の職員にもたいへん好評な方法ですので、需要のある方は試してみてください。

まるで、USBメモリーのようにiDevicesが使えるようになりますよ。

なお、iDevicesとMacとの間でデータを送受信するにはAirDropという機能を利用すると簡単です。
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現任校の子どもたちが使っている視線入力のスキルがどの程度あるのか...
それを評価するツールが欲しい...

とリクエストしたところ、島根大学工学部総合理工学研究科助教の伊藤史人さんが評価ツールとしてのWindows用アプリを開発してくれました。

その名もGaze Test Tool
ランキング表示画面
2019年3月2日にα版(試作の試作)としてリリースされたものが、同年5月1日にβ版(試作)にアップデートされました。
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【アップデート】視線評価ツールがα版からβ版になりました


α版(試作の試作)からβ版(試作)になり,主に以下の機能が追加・修正になりました。

・ランキング表示を追加

・視線評価の画面範囲を変更できる

・文字入力評価の文字数を変更できる

・総合成績算出時の各スキル成績の重み付けの変更

・その他バグ修正

Gaze Test Toolの画面
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Gaze Test Toolの画面は、見つめるターゲットが最大15個(横5列✕縦3行)表示され、ターゲットを1秒間見続ける(=注視する)と消えるようになり、すべてのターゲットを消すとゲームが終了します。

スタート画面の右上に表示される設定(歯車マーク)では,画面を見る範囲や文字入力の総文字数を変更できるようになっています。
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ランキング表示画面
ゲームを終えた後、キーボードの右矢印キーを押すと評価画面が表示されます。
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Gaze Test Toolの評価画面
評価項目は以下のとおりになっています。

①Linearity(=直線性)→ターゲットに向かって(寄り道をすることなく)まっすぐ目を動かしたかどうかが測定できます。

②Stability(=安定性)→ターゲットの中心を見ているときのふらつき(眼振がある場合、ふらつくことがあるので)加減が測定できます。

③Accuracy(=正確さ)→四重の円になっているターゲットの中で1秒間注視するとターゲットが消えるようになっていますが、注視を開始した位置からターゲット中心までのズレが測定できます。中心に近い位置で注視を開始した方が高得点となります。

④Time(=所要時間)→ゲームの開始から終了(最後のターゲットが消えるまで)までに要した時間が秒で測定されます。

⑤Distance(=距離)→ゲームの開始から終了(最後のターゲットが消えるまで)までに動かした視線の距離が測定されます。

⑥Order Of Gaze(=視線を動かした順番)→最初に消したターゲットから最後に消したターゲットまで、どの順番で消していったかの軌跡が測定されます。

伊藤史人さんのブログ記事には「知的な理解力が未発達な方の場合、ターゲットを注視することが難しいかもしれません」と書かれていますが、現任校の中学部に在籍するアテトーゼ型脳性まひの女子生徒に試してもらいました。
Gaze Test Toolを試している子ども
対象児は声を出すことはできますが、発話および筆記はできません。
音声言語で尋ねられたことに対して、YES/NOは「右手を挙げるとYES」「無表情であればNO」といった表出手段があると我々は解釈していますが、「どちらでもない」という時も無表情なので判断しにくいことがあります。

彼女の意思を知るために、文字を書いた絵カードを提示してその中から視線で選ぶというコミュニケーション方法を我々はとっています。

昨年度(2018年度)から視線追跡装置Tobii Eye Tracker 4Cを利用した視線入力でEye MoT 2DEye MoT 3Dで遊んだり、視線マウスアプリmiyasuku EyeCon LTと併用してSOUNOS VALKAで音楽を演奏したりしてきました。

現任校では、Tobii Eye Tracker 4Cでキャリブレーションをとることができる唯一の子どもさんなので、視線入力評価ツールGaze Test Toolが使えるのではないかと思って試してもらうようにしました。

その様子をYouTubeにアップしました。

試してもらった結果、Stability(=安定性)とAccuracy(=正確さ)の評価が高いことが分かりました。

また、この子が我々が音声言語で指示していることの意味を理解していることやゲームのルールを理解していることが改めて分かるという結果も得られました。

視線入力に取り組んでいる支援者の皆さんは一度試してみると良いと思います。
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miyasuku EyeConシリーズを開発しておられる株式会社ユニコーンさんがFacebook上で公開しているmiyasuku EyeCon 何でも相談室というFacebookページに、ある特別支援学校の教員から以下のような質問が寄せられました。

「担当している子どもさんにTobii Eye Tracker 4Cとmiyasuku EyeCon LTで視線入力しながらTuxPaint を使って絵を描いてもらっています。通常の画面解像度(1920×1080) でフルスクリーンにして解像度を合わせると画面がはみ出てしまいます。TuxPaintの設定画面で640×480に変更すると全画面で表示されますが、 絵を描き始めてすぐにTobiiのドライバが、何度も何度も 「適切な画面解像度は・・・」という表示を繰り返し、ソフトが中断されてしまいます。どのような設定にするのがよいのか困っています。教えていただけると助かります。」

これは、2019年5月31日のブログ行ってきました!〜第2回miyasukuワークショップの時にも、参加者の方から質問された内容です。

その疑問に対して、視線入力界で「神」と称されているプログラマー小川忍株式会社ユニコーンさんが以下のように回答されました。


WIndows10の設定画面を開き、左上の「システム」を選択してください。

下の図の拡大の設定が100%になっているかご確認ください。
TuxPaint用ディスプレイ設定
もし、100%になっていない場合は100%に変更して、サインインしなおしてください。(PCの再起動でも良いです。)

画面の「表示」が小さくなってしまいますが、TaxPaintのフルスクリーン表示は正しく表示されると思います。

その結果、質問者の環境でうまく表示されるようになったそうです。

TuxPaintを使っておられる方は是非ご確認ください。
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2020年度から小学校でのプログラミング教育が始まります。
時期を前倒しして、多くの学校や教員がプログラミング教育に取り組み始めています。

そんな時流の中、Scratch(スクラッチ)というプログラミング言語を利用した学習が進められているということをよく見聞きします。

Scratchとは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(通称:MIT)が開発した子ども向けのビジュアルプログラミング言語で、感覚的に扱える点が特徴で、日本語にも対応しています。

通常のプログラミングでは、関数や構文を覚えた上でロジックを組み立ててコードを書いていきますが、Scratchではコードを書く必要がありません。
コードを書く代わりに、ブロックとして用意されている命令をマウスを使って並べていくだけで良いのです。
Scratchの画面
ドラッグ&ドロップの操作で簡単に命令を組み立てることができ、その結果も視覚的に把握できるので、C++といった難しい言語を駆使したプログラミングをやったことのない人でも気軽に始めることができます。

そんなScratchを使って、このブログでも度々紹介してきた福岡県在住の廣田琉花さん(福岡県立某特別支援学校に在籍)がゲームを作っているという情報が届きました。

琉花さんは、日常の会話はレッツ・チャットPPSスイッチで使い、学習にはPPSスイッチ「できiPad2。」を利用してiPadをスイッチコントロールで操作したり、WindowsパソコンとTobii Eye Tracker 4Cで視線入力したり…と、Assistive TechnologyとしてのICT機器をバリバリ使いこなしている小学生です。

琉花さんが視線入力で描いた絵2点が、第37回肢体不自由児・者の美術展で特賞の【全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会賞】と【佳作賞】を受賞した時のことはコチラで紹介しました。
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小学生の視線入力アーティストが快挙達成!
180727講演ゲストHRさん
琉花さんが視線入力環境を使って、視線でマウスを動かしながらWindowsパソコンで作ったScratchゲームのトップ画面がコチラ!!!
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Scratchサイトの検索画面
この中で、Samがハマっているゲームが以下の4つ!!!!
いずれもパソコン(WindowsでもMacでもOK)のスペースキーや矢印キーを押すと遊べるように作られています。
Scratchのサイトにアクセスする必要がありますので、ゲームをするためのパソコンはインターネットに接続しておく必要があります。

穴ほりゲーム
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穴ほりゲームの画面
サッカーゲーム
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サッカーゲームの画面
おみくじゲーム
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おみくじゲームの画面
リンゴキャッチゲーム
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リンゴキャッチゲームの画面

Samも30年ほど前にBASICというプログラミング言語で認知学習用のプログラムを作ったことがありますが、ここまでうまくキャラクターを動かすことなんてできませんでした(^_^;)

琉花さんの創造力と行動力に脱帽です(^o^)/

ちなみに、琉花さんがプログラミングを学習するのに参考にしたのは本ではなくYouTube動画!
本を読まなくても動画を見るだけでプログラミングできちゃうScratchってユーザビリティに優れていますね(*^ ^*)
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