Sam's e-AT Lab

障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic Assistive Technology=電子的支援技術)に関する話題

カテゴリ: 特別支援教育

2019(平成31)年2月8日(金)に愛媛大学で開催された平成30年度文部科学省受託事業 事業成果報告会に指定討論者として参加してきました。
190208事業成果報告会チラシ
事業報告会の様子
この研究事業にはアドバイザーとして昨年度から参加させていただいており、発達障害等による読み書きの困難さを抱える児童生徒の学習を支援に関する研究が進められています。

その中心となっているのが、愛媛大学教育学部特別支援教育講座苅田研究室
今回の成果報告会の内容は、以下のとおりです。


①FIAT-LDの開発と小中高におけるICT機器の活用 
 *学習上の支援機器等教材活用評価研究事業

②愛媛大学教育学部附属高園と協同した合理的配慮の提供[相談ブース(こもれび)]
 *発達障害の可能性のある児童生徒の多様な特性に応じた合理的配慮研究事業

③教育実践例に基づいた各教科の指導法の例
 *発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業

④理解啓発事業による講演会の省察
 *特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

2019年2月19日のYahoo!ニュースに小中学校へのスマホ持ち込みも 文科省、禁止方針の見直しへという記事が掲載されました。
以下、そのWeb記事を引用。


柴山昌彦
文部科学相は19日の閣議後記者会見で、携帯電話やスマートフォンの小中学校への持ち込みを原則禁止した文科省通知を見直す方向で検討を始めると発表した。

高い所持率や災害時の連絡手段として有用なことを踏まえたもので、文科省は持ち込む際のルールの必要性も含めて議論を進める方針だ。

携帯電話やスマートフォン、タブレット端末は、読み・書き・計算などに困難さのある学習障害のある子どもたちの学習ツールとして認知されるようになってきましたが、自分の携帯電話などを学校の授業で使うにはハードルが高いという現実があります。

しかし、この記事に書かれているように小中学生が学校に持ち込めるようになれば、そのハードルが下がる可能性があるのではないかと思いました。

そんな折、いつもお世話になっている金森 克浩さん(日本福祉大学スポーツ科学部教授)がkintaのブログでタイムリーな情報を教えてくださいました。

それが、表題にもあるiOS版アプリSmilingual(スマイリンガル)です。
Smilingualアプリのアイコン
翻訳アプリSmilingualは、スマートフォンに話しかけるだけで翻訳ができる無料アプリで、iOS版に加えAndroid版もあります。
音声認識技術と多言語翻訳技術を組み合わせ、主に短文を中心とした会話を翻訳してくれます。

翻訳した結果は、文字で表示されると同時に音声でしゃべってくれます。
しかも、タイムラグがほとんどありません。
Smilingual翻訳画面
iOS版をダウンロードして試してみたところ、実に簡単で使いやすく、翻訳に要する時間があっという間でした。
その様子をYouTUbeにアップしましたので、興味のある方はご覧ください。

iOS版アプリのダウンロードは、こちらです。
 ↓ ↓ ↓

アプリの使い方マニュアルは、こちらにあります。
 ↓ ↓ ↓

Android版アプリのダウンロードは、こちらです。
 ↓ ↓ ↓
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.shamrock_records.smilingual

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

先日、Facebookで意見が交換されていた試験に関する合理的配慮に関する話題です。
その話題とは...

「障害などの原因により、ペーパーテストへの筆記が困難で時間内に回答し終わらない場合、どのような合理的配慮が提供できるのだろうか」という話題でした。
試験を受ける男性のイラスト
近年、大学入試や高校入試においても障害への配慮がされるようになってきました。
 ↓ ↓ ↓
別室受験など広がる配慮 障害者差別解消法で公立高入試(Web記事)
大学入試センター試験受験上の配慮案内(PDF形式)

「では、高等学校卒業程度認定試験では、どうなっているのだろう?」と思っていたところ、皇學館大学の大杉 成喜さんから以下の情報を教えていただきました。
 ↓ ↓ ↓
高等学校卒業程度認定試験における身体上の障害等にかかる特別措置

以下、引用


身体上の障害等により、受験の際に特別措置を希望する方は、通常の出願書類にあわせて、「高等学校卒業程度認定試験身体障害者等受験特別措置申請書」及び「医師の診断書」の提出が必要となります。

提出された書類を基に、文部科学省で審査を行い、特別措置を決定します。

<視覚障害>
・ 点字による教育を受けている方
→ 「点字による解答(時間1.5倍)(別室)」と視覚障害に関するその他の措置
※出題は点字により行います。

・ 良い方の眼の矯正視力が0.15未満の方
・ 両眼による視野について視能率による損失率が90パーセント以上の方
→ 「文字による解答(時間1.3倍)(別室)」と視覚障害に関するその他の措置

・ 上記以外の視覚障害者
→ 「点字による解答(時間1.5倍)(別室)」及び「文字による解答(時間1.3倍)(別室)」以外の視覚障害に関する措置

<聴覚障害>
・ 両耳の平均聴力レベルが100デシベル以上の方
・ 上記以外の聴覚障害者
→ 聴覚障害に関する措置

<肢体不自由>
・ 体幹の機能障害により座位を保つことができない者又は困難な方
・ 両上肢の機能障害が著しい方
→ 「チェックによる解答(時間1.3倍)(別室)」と肢体不自由に関するその他の措置

・ 上記以外で解答用紙にマークすることが困難な方(1.3倍の試験時間延長に該当する程度の障害ではないが、一般の解答用紙にマークすることが困難であると認められる方)
→ 「チェックによる解答(別室)」と肢体不自由に関するその他の措置

・ 上記以外の肢体不自由者
→ 「チェックによる解答」以外の肢体不自由に関する措置

<病弱>
・ 慢性の疾患や病気等の症状により、継続して医療又は生活規制を必要とする方又はこれに準ずる方
→ 「別室の設定(2人~10人の少人数)」「試験室を1階に設定」「杖の持参使用」「試験室入り口までの付添者の同伴」「試験場への乗用車での入構」

<その他 (精神疾患を含む)>
・ 上記以外で特別措置を必要とする方
→ 「別室の設定(2人~10人の少人数)」「トイレに近接する試験室に指定」等

ということで、十分ではないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、以前よりは前進していると思います。

このような情報を知っているのといないのとでは進路決定に大きな影響を及ぼすと思われますので、同業者の方は知っておいてほしいものです。

ちなみに、高等学校卒業程度認定試験とは...(文部科学省のサイトから引用)


高等学校卒業程度認定試験は、様々な理由で、高等学校を卒業できなかった者等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。

合格者は大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。

また、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、就職、資格試験等に活用することができます。

(大学入学資格検定(大検)は、平成17年度より高等学校卒業程度認定試験にかわりました。)

です。





このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

2019年1月26日(土)小雪が降る天気の中、佐賀県鳥栖市で開催された【特別支援教育セミナーin九州2019】で講演してきました。
平成帝京大学の深川教授が主催する【特別支援教育セミナーin九州】で講演するのは、今年で3回目。
Sam以外の講師は超有名人ばかりのセミナーにも関わらず、呼んでいただきありがたいことです。
研修会の要項&抄録
講演タイトルは「テクノロジーを活用することで生まれる自立感と社会参加の在り方」です。
抄録原稿
 ↑ ↑ ↑
研修会抄録に掲載された原稿

まず、重度・重複障害児とディスレクシア当事者の動画とディスレクシアの見え方の映像を見ていただいた上で【障害に基づく学習上の困難さ】を考えていただきました。

次いで、読み書きの困難さを軽減するためのテクノロジーとして、今年4月から学校で使うことができるようになったデジタル教科書を紹介。
デジタル教科書のデモ
デジタル教科書は高額ですし、「端末は誰が用意するのか」「費用はどこが負担するのか」「管理はどうするのか」といった課題がありますので、4月からすぐに使えるかと言うと現時点では不透明です。

そこで、現時点で利用できるデジタル化した教科書データ(Access ReadingによるデジタルデータとマルチメディアDAISY教科書データ)をiPadで操作しながら、①文字の拡大とハイライト、②文章の読み上げ、③色の反転、④マークアップ機能(Access Readingによるデジタルデータのみ)、を試してもらいました。
EPUBデータにハイライトを付ける
EPUBデータで音声読み上げ
EPUBデータで色の反転
DAISY教科書を読む
その後、IoTやAIといったテクノロジーの進歩を実感していただくための動画を視聴。


自宅にいながら接客「分身ロボットカフェ」(日テレNEWS24から)

テクノロジーの進歩に伴う社会の変化をにらんで、教育内容を変えていかなくてはならないことも話させていただきました。
日本政府が推進しているキャッシュレス化に向けて、これまで取り組まれてきた「財布の中からお金を出して買い物をし、お釣りとレシートを受け取る」という買い物に関する学習は、内容・方法を変えていかなければならない時代に来ていることがその例でしょう。

最後に、1999年に訪米した時に出会った重度障害児・者が教えてくれた自立観と社会参加の考え方を紹介してタイムアップ。

2日連続で開催される本セミナーは講師陣が豪華ですので(Sam以外です)、遠くは鹿児島県から参加されている方もいらっしゃいました。
うまく伝わったことを願うばかりです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会さんから標記の研修案内が届きました。

以下、主催者からの案内を以下に引用します。


【趣旨】
公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会は、平成20年度からボランティア団体等と協力して小中学校の発達障害など読みの困難がある児童生徒にデイジー教科書を製作・提供を行っています。
当初80名だった利用者は、平成29年度末は 8千名を越え、本年度は1万人を超える見込みで急速に普及しつつあります。
また、平成26年度からは、文部科学省の音声教材の効率的な製作方法等に関する調査研究事業として、デイジー教科書製作の効率化に取り組み、製作基準を整備するとともに教科書数を拡充し、平成30年12月現在では360冊を越え、検定教科書の約8割を提供しています。
本報告会では、デイジー教科書提供事業についてその取り組みと現状についての報告を行い、読みの困難 のある児童生徒へのデイジー教科書を活用した ICT 支援の実践、導入について、特別支援教育の専門家の視点、デイジー利用者の視点、入試への展望、などそれぞれの立場から有効な事例をご報告していただき、そこから得られた成果や課題を学び、今後のデイジー教科書のあり方と普及について考えます。

【日時】
平成31年2月24日(日) 13:30~17:00

【会場】
戸山サンライズ 大会議室

【定員】
140名(定員になり次第締め切ります。)

【参加費】
無料

【情報保障】
要約筆記あり。
希望に応じて手話通訳・ヒアリングループを用意。

【お問い合わせ】
公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
TEL:03-5273-0796
FAX:03-5273-0615
e-mail: daisy_c@dinf.ne.jp

【プログラム(予定)】
12:30-13:30 デイジー教科書、機器展示
13:30 開会挨拶
13:35-14:00 デイジー教科書の利用申請状況報告〜西澤 達夫(日本障害者リハビリテーション協会 参与)
14:00-14:45 デイジー教材の導入・活用について〜金森 裕治(大阪教育大学 特別支援教育講座 特任教授)
14:45-15:00 休憩
15:00-15:45 デイジーユーザー大学生からの提言〜小澤 彩果(立命館大学情報理工学部 学生)
15:45:16:30 センター試験及び「新テスト」における受験配慮でのIT活用 〜南谷 和範(大学入試センター 試験基盤設計研究部門 准教授)
16:30-17:00 質疑応答
17:00 閉会

参加申し込みは、下記こくちーずプロからどうぞ。
 ↓ ↓ ↓
https://kokucheese.com/event/index/550044/
メモをとる人
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

↑このページのトップヘ