Sam's e-AT Lab

障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic Assistive Technology=電子的支援技術)に関する話題

カテゴリ: トピックス

Samの情報源は、本などの紙媒体よりもWeb情報がほとんどです。
その中で最もお世話になっている情報源は、日本福祉大学スポーツ科学部教授の金森克浩さんが主宰しておられるkintaのブログです。

特別支援教育におけるAT(Assistibve Technology:支援技術)やAAC(Augmentative and Alternative Communication:拡大代替コミュニケーション)に関する情報が盛りだくさんのブログですから、Samのブログを訪れてくださっている方の多くがご存知のことと思います。
パソコンを使う人のイラスト
そのkintaのブログには、AT・AAC関係の本という項目があります。
我が国で購入可能な本が網羅されていますので「やっぱり情報は本から!」と言われる方は是非チェックしてみてください。

以下、kintaのブログAT・AAC関係の本に記載してある本のタイトルを引用します。


1.金森が関わった本
◯はげみ No.380「視線入力でらくらくコミュニケーション2」
◯はげみ No.374「視線入力でらくらくコミュニケーション」
◯知的障害特別支援学校のICTを活用した授業づくり
◯決定版!特別支援教育のためのタブレット活用
◯学校でのICT利用による読み書き支援 合理的配慮のための具体的な実践
◯特別支援教育の実践情報
◯肢体不自由児のためのタブレットPCの活用
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第7集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第6集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第5集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第4集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第3集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第2集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第1集
◯特別支援教育におけるATを活用したコミュニケーション支援
◯マジカルトイボックスのアイデア&ヒント+77 障がいの重い子の「わかる」「できる」みんなで「楽しめる」
◯マジカルトイボックスの 教材&アイデア100連発 障がいの重い子の「わかる」「できる」みんなで「楽しめる」
◯はげみ No.350「教育・療育におけるコンピュータの活用」
◯はげみ364号「生活を豊かにする支援機器の活用2」
◯【改訂版】障がいのある子の力を生かすスイッチ製作とおもちゃの改造入門
◯はげみ「生活を豊かにする支援機器の活用〜障害の重い子どもたちへのAACの活用〜」

2.中邑さんの本
◯AAC入門(中邑賢龍)
◯発達障害の子どもの「ユニークさ」を伸ばすテクノロジー
◯学校の中のハイブリッドキッズたち
◯タブレットPC・スマホ時代の子どもの教育
◯バリアフリー・コンフリクト
◯黙って観るコミュニケーション

3.坂井さんの本
◯自閉症や知的障害をもつ人とのコミュニケーションのための10のアイデア
◯ケータイで障がいのある子とちょこっとコミュニケーション

4.その他
◯視覚シンボルで楽々コミュニケーション 障害者の暮らしに役立つシンボル1000 CD-ROM付き ★2(おかわり)★
◯特別支援教育ですぐに役立つ! ICT活用法: ソフトバンクによるモバイル端末活用研究「魔法のプロジェクト」の選りすぐり実践27
◯視覚シンボルで楽々コミュニケーション 障害者の暮らしに役立つシンボル1000 CD-ROM付き
◯特別支援教育のための「ちょいテク」支援グッズ36 アシスティブテクノロジー・小ネタ集
◯特別支援教育・おすすめ「ちょいテク」支援グッズ31
◯読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A
◯特別支援学校におけるアシスティブ・テクノロジー活用ケースブック
◯アシスティブ・テクノロジー活用のためのガイド 〔ATG〕

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2018年11月26日〜30日と12月3日〜7日の期間限定で、分身ロボットOriHimeを開発したオリィ研究所が日本財団などの協力を得て、分身ロボットカフェDAWN ver.βが開催されました。
ロボットがコーヒーをサーブ
このカフェの最大の特徴は、店員がすべて分身ロボット「OriHime-D」で、それらを遠隔操作しているのが寝たきりや難病などで外出することが困難な重度の肢体不自由者人です。

分身ロボット「OriHime-D」を操作する人はパイロットと呼ばれ、ALSやSMAや頸椎損傷などの障がい者(10代が10名、男女各5名の20〜40代の人)が雇用されました。

パイロットの居住地域は東京、埼玉、愛知、岐阜、三重、島根と多岐に渡っています。

その中のお一人高野元さんがご自身のブログで、その時の様子を分身ロボットカフェDAWN βでウェイターをやってみましたというタイトルで寄稿しておられます。

高野元さんの了解を得て、ブログの投稿文を引用させていただきます。


ほとんどの人は、重度障害者は働けないと思い込んでいます。

その思い込みが社会通念となり、多くの障害者が自分も働けないんだと思い込まされています。

しかし、働けないのは効率を最大限追求した社会システムに、我々ができる仕事がないだけなんだと、私は考えています。

テクノロジーというか技術革新は、いつの時代も人の能力を拡張して社会を進化させてきました。

この10年で働き方は効率重視から、働き手の心の安定に重きを置くようになりつつあります。

この変化の延長にあるさまざまな試みの一つである、この分身ロボットカフェがきっかけとなって、重度障害者の就労が議論されるようになってもらいたいものです。

特別支援学校の教員をしているSamにとって、子どもたちが学校を卒業した後の暮らし方をいつも考えながら教育活動に携わっています。

現任校に限らず、日本の特別支援学校(肢体不自由)に在籍している児童生徒の多くが、重度・重複障害と評価(診断?)されている子どもたちです。
その多くは、卒業後の進路先が生活介護事業所です。
なかには、知的能力が高いにも関わらず「肢体不自由が重度である」「頻繁な医療的ケアが必要である」などの理由で、その能力が充分に活かされていないケースもあります。

今回の分身ロボットカフェDAWN ver.βのように、知恵とテクノロジーが、彼らの進路をこれまでとは違う方向に進めるきっかけになれば良いなぁと思います。
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2018年12月8日のブログスイッチ応援隊!人人(ninnin)の講演でアメリカLA在住のKaiくんにライブ出演してもらいました@下関で紹介したKaiくんがライブ出演してくれた様子を動画で撮影してもらっていました。
181202講演の様子02Kai
その動画を編集してKaiくんとお母様に見ていただいたところ、世界公開を了承していただきましたのでYouTubeにアップしましたので、是非ご覧ください。
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181202 Kai demonstrated using Assistive Technology via video call from LA to Shimonoseki

また、12月2日の講演当日のことが主催者のサイトで紹介されていますので、併せてコチラもご覧ください。
 ↓ ↓ ↓
スイッチ応援隊!人人(NIN-NIN)

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2018年11月18日のブログ小学生の視線入力アーティストが描いた作品が秀逸!で紹介したRさんが、社会福祉法人日本肢体不自由児協会主催第37回肢体不自由児・者の美術展に「すいか」の絵と「花火」の書を応募されました。
その結果、「すいか」の絵が特賞の【全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会賞】に、「花火」の書は【佳作賞】を受賞されました!

この美術展で特賞を受賞された方は東京芸術劇場で開催された表彰式に招待され、宮様から直々に賞状やメダルを授与されます。
その様子は、NHKの首都圏NEWS WEB(Rさんの絵は下記リンク先のWebニュースでご覧いただけます)で紹介されています❗
 ↓ ↓ ↓
手や足に障害のある人の美術展

諸事情により東京での表彰式に参加できなかったRさんでしたが、審査員の一人である日本福祉大学の金森克浩さんが福岡県内にあるRさん宅を訪れ、表彰式が行われました。
表彰式
その様子が12月13日(木)の西日本新聞朝刊【傾聴記】に載った他、西日本新聞のWeb記事でも写真付きで紹介されています。

このブログでもその西日本新聞のWeb記事をコピペしたいところですが、著作権等に抵触する恐れがありますので、リンク先をクリックして是非ご覧ください。
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西日本新聞のWeb記事「視線入力 夢を描こう 目でパソコン操作 言葉を伝え、絵や書も」

展示会は東京以外の数カ所で開催される予定で、福岡エリアでは福岡市役所とアクロス福岡で来年3月4日~10日に開かれる予定です。
お近くの方は足を運んでみてくださいね。
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2016年4月施行の「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称、「障害者差別解消法」)により、一人ひとりの困りごとに合わせた【合理的配慮】の提供が行政・事業者に義務化されました。

【合理的配慮】とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。

Samは仕事がら小中学校からの要請によって、通常の学級や特別支援学級に在籍している児童生徒のうち、発達障害や肢体不自由があるために読み書きで困っている児童生徒へのICT活用に関する相談を受け、対応することがあります。

数年前から特別支援学級や通級指導教室の教員向けに研修を依頼され、具体的な活用方法を紹介してきましたので、そういう教員には理解が広まってきていますが、通常の学級を担当している教員への理解が進んでいないのが現状です。
相談・支援の依頼を受けた通常の学級に訪問し、該当する児童生徒の学習場面を参観し、持参したICT機器を試してもらうと、ほとんどの児童生徒が「これがあれば勉強しやすくなる」と喜んでくれるのですが、授業への導入が進みません。

その理由として、通常の学級を担当している教員が「〇〇さんだけ特別扱いはできない」「他の子に対して不公平になる」と考えているからなのです。

なんとか理解をしてもらいたいと日々考えているのですが、先日Facebook経由で発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービスTEENSさんが【図表でわかる!】発達障害 × 合理的配慮 |「タブレットの利用はズルい」? 合理的配慮を”不平等”だと感じる人へという記事を書かれていることを知りました。

以下、TEENSさんの許諾を得ましたので、その内容を引用します。



合理的配慮という考え方は、日本では2016年4月に「障害者差別解消法」が施行されたことにより急速に広まりました。

しかし、今でも「合理的配慮は不平等である」と考える人は残念ながらたくさんいます。

そして、学校の先生だったり職場の上司だったり…本来であれば合理的配慮について相談したい相手が、そういった考えであるという状況も往々にしてあるでしょう。

例えば、ディスレクシア(読み書き障害)のある子のためのタブレット使用について。現在、たくさんの活用事例が報告されている一方で、「●●さんだけ特別扱いはできない」「他の子に対して不公平になる」といった理由をあげながら学校での使用が認められない例も少なくありません。

では、なぜこのような解釈のズレが生じるのでしょうか?

その理由のひとつに、合理的配慮を行うことで「結果が左右される」 = 「有利な状態になる」、という誤解が生じていることがあげられるでしょう。

合理的配慮とは、同じ土俵でチャレンジするためのサポートの形であり、えこひいきをしたりルールを変えることが趣旨ではありません。

例えば「野球の試合を観て感想を言いましょう」という課題がでたとします。

この時試されるのは「試合状況を把握した上で自分の考えを示せるか」ということです。

そんな中、身長の関係で試合を観ることができない子がいたとしましょう。

その子が感想を言えなかった時に「この子は試合状況を把握したり、自分の考えたことを示せない」と評価してしまってよいでしょうか?

この子ができなかったのはあくまで試合を観ることだけで、課題で評価したいことの本質とは何ら関係がありません。

そのため、きっとこの課題をだした先生も「台に乗って試合を観られるようにしましょう」と伝えるのではないでしょうか。

発達障害の子どもたちへの合理的配慮も、これと全く同じことが言えます。

例えば、ディスレクシア(読み書き障害)の子に対して、「試合を観て感想を書きましょう」という課題がでたとします。

ここでも試したいのは、変わらず「試合状況を把握した上で自分の考えを示せるか」ということです。

このディスレクシアの子は、試合自体を観ることも感想を話すこともできるかもできます。

しかし、文字を書く、ということができないばかりに課題をこなせなかったとしたら、「この子は試合状況を把握したり、自分の考えたことを示せない」と評価することが妥当でしょうか?

この時に、「文字は書けないからパソコンを使って感想をタイピングします」と言ったとします。

これは決して本人の能力が底上げされるわけでも、えこひいきしているわけでもなく、むしろ本来試したい実力を発揮するための手立てだということはご理解いただけると思います。

身長とは異なり、発達障害の子は脳機能に違いから困り感が生じているためその原因を目で見ることができません。

そのため、理解されづらいという側面があります。

一番左の背の低いお子さんが、試合を観るために木箱を2つ使うのをズルいと言う人や木箱を使えば身長が伸びなくなる、と言う人はきっといないでしょう。

同じように、ディスレクシアの子のタブレット使用に対する「●●さんだけ特別扱いはできない」「タブレットを使用しては書字の苦手さが改善できない」という主張には正当性がないことは明らかです。

という解説文と共に載っていたイラストがこれです!
 ↓ ↓ ↓
合理的配慮を説明するイラスト
このイラストは、IISC(interactioninstitute.org / madewithangus.com)のイラストを参考に作成されたそうですが、とても分かりやすいですね。
IISC_EqualityEquity
こういう理解が、読み書きに困難さのある子どもたちの学びにくさを軽減することに繋がってほしいものです。

※当ブログに記事の掲載を承認していただいたTEENSさんに感謝します。
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