Sam's e-AT Lab

障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic Assistive Technology=電子的支援技術)に関する話題

カテゴリ: トピックス

Samが勤務している福岡市立今津特別支援学校の高等部2年生と3年生が、2019年5月22日(水曜日)〜5月24日(金曜日)の二泊三日で東京ディズニーシー&東京ディズニーランドに修学旅行に行きました。

その2日目となった5月23日(木曜日)の13:20〜13:40の時間帯に、修学旅行団の生徒から在校している児童生徒向けにリアルタイムで東京ディズニーランドからの現地レポートを届けてくれました。
修学旅行団とFaceTimeでビデオ通話02
ビデオ通話は、現地の職員が持っているiPhoneとSamのiPad(iijのSIM入り)とでFaceTimeを利用。

13:10には在校している児童生徒のほとんどが給食を早めに終えて体育館に集合!
修学旅行団とFaceTimeでビデオ通話01
1日目の夜に行った東京ディズニーシーの様子に始まり、東京ディズニーランドではどのアトラクションが楽しかったかというレポートとともに、在校生からの質問に答えるレポーターKF君(生徒会長)に拍手喝采の大盛り上がりでした。

その時の様子をYouTubeにアップしましたので、興味のある方はご覧ください。

顔出しNGの児童生徒がいますので、動画の下半分にモザイクをかけていますが、在校生たちの盛り上がりっぷりは感じていただけると思います。

来年度以降に高等部への進学を予定している児童生徒にとって、貴重な事前学習になったようです。

このようなビデオ通話で子ども同士がやり取りするという取組は、前任校時代に何度かやったことがあります。

修学旅行団と在校生とのリアルタイム中継もやりましたが、在校生と訪問学級生の自宅をつないで図工の学習をしたり、学校で行われた音楽イベントを訪問学級生にもリアルタイムで視聴してもらったりという授業場面にも活用しました。

訪問学級生の自宅にはインターネットに繋がったWi-Fiがあり、学校に敷設したWi-Fi(今は教育委員会のWi-Fi工事により撤去されているはずです)を利用してビデオ通話をしていました。

当時の取組は、日本肢体不自由児協会が出版している肢体不自由児のためのタブレットPCの活用という書籍にも書いています(たぶん188ページぐらいだと思います)。
肢体不自由児のためのタブレットPCの活用
よかったら購入してご一読ください。
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アメリカ西部時間の2019年3月16日(土)、LAエリアに住む障害児の親の会JSPACCの主催による「障害のある子どもたちへのAssistive Technology 活用」に関するセミナーを終えた後、JSPACC(=Japanese Speaking Parents Association of Children with Challenges)の元会長である山田香苗さんが我々をご自宅に招待してくださいました。

山田さんのご自宅があるのは、全米大学フットボールの華と謳われるRose Bowlが開催されるPasadena!

山田さん宅に到着すると、野良クジャクが我々を出迎えてくれました。
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野良クジャクとSam
家の庭先や道路には、たくさんのクジャクが!
残念ながら羽根を広げている姿を見ることはできませんでしたが…
笑顔で歓迎してくれるマイケル
さて、山田さん宅に入ると香苗さんのご子息マイケルさんが満面の笑みで迎えてくれました。


このYouTube動画は香苗さんがプロデュースされたもので、「Augmentative and Alternative CommunicationやAssistive Technologyの活用は障害児・者の暮らしや教育に欠かせないものです。したがって、障害児・者の親・家族や教育者・保育者・療育者には是非知ってもらいたい。」という思いで製作されたそうです。

マイケルさんは自分のデキル動きで入力することが可能なスイッチ(写真の左手の位置にグーズネック式固定具で固定されています)を使って、乾電池で動くオモチャ等の装置や家電品をON/OFFするというSimple Technologyを暮らしの中で活用しておられます。
自分の楽しみもクリエイトしておられますし、家庭の中での役割も担っておられます。
ライトを点けるマイケル
我々がお邪魔した時には、LITTLE Step-by-Step Communicatorを使って「Welcome to my house. My name is Michael. Nice meeting to you.」と挨拶してくださいました。
そして、香苗さんのiPhoneから流れるお気に入りの曲に合わせてミラーボール型ライトを点けて歓迎してくれました。

今回のアメリカ訪問では、視線入力やiPadの活用がテーマのセミナーや相談が多かったのですが、マイケルさんが紹介してくれたSimpleTechnologyは「重度の肢体不自由のある人たちが、家庭や社会の中で役割を担う」上で利用しやすいテクノロジーだと思います。

本ブログでもSimple Technologyというカテゴリを作っていますので、よかったら検索してご覧ください。
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Samも寄稿させていただくことがある日本肢体不自由児協会の雑誌【はげみ】は、毎号特集が組まれています。
その中の平成29年度6/7月号視線でらくらくコミュニケーションと平成30年度6/7月号視線でらくらくコミュニケーション2」が大人気だったので、日本福祉大学の金森克浩さんの肝煎りにより、各章の著者が加筆修正して1冊の書籍にまとめることになりました。

その名も視線でらくらくコミュニケーション
書籍「視線でらくらくコミュニケーション」
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2019年3月18日に発刊されました。

僭越ながら、Samも第3章「視線入力の活用」で【フィードバックを大切にした視線入力装置の活用】というタイトルで寄稿させていただきました。

注文は、日本肢体不自由児協会に電話またはFAXで申し込む or スペース96さんのサイトから購入することができます。

ぜひ多くの方に読んでいただきたい書籍です。
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2019年2月20日と2月21日のWeb配信で、とても興味深いタイトルの情報が流れてきました。

重度障がい者の「働く」喜び――“分身”ワークや「寝たきり社長」〜Yahoo!ニュースから

世界が注目!!分身ロボット〜NHK探検バクモンから
北海道に注目 障害者の働き方〜NHK NEWS WEBから

いずれの情報も「働く」「ICT」がキーワードとなっている障害者の働き方に関する内容です。
パソコンを使う車いす青年のイラスト
Web上の情報ですから、しばらくすると見られなくなりそうなので、備忘録として...

以下、重度障がい者の「働く」喜び――“分身”ワークや「寝たきり社長」から引用します。


昨年11月、ロボットがサーブする「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」が、東京都港区のオフィスビルに期間限定でオープンした。
ロボットの名称は「OriHime(オリヒメ)-D」。

身長120センチの人型ロボットが、なめらかにテーブルに近づいてくる。
「お待たせしました! ブレンドコーヒーが四つ。トレイから受け取ってください」 女性の声が内蔵スピーカーを通じて聞こえてくる。

客席から「ありがとう」「いただきます」などと声が掛かると、ロボットの頭部が左右に動き、一人ひとりと目が合う。
胸元のカードには「ふーちゃん。島根県在住。チーズと麻婆豆腐が好き」と書かれている。

「ふーちゃん」とは、島根県松江市に住む三好史子さん(24)。
オリヒメを遠隔操作する「パイロット」だ。

三好さんは、脊髄性筋萎縮症(SMA)II型という疾患を有している。
筋肉が中枢神経からの信号を受信できなくなって、徐々に筋力の低下や筋の萎縮がおこる難病だ。
着替え、トイレ、車いすへの移乗など日常生活全般に介助が必要で、外出は困難。

「分身ロボットカフェ」は、テレワークから一歩進んだ、いわば「アバター(分身)ワーク」の試みだ。

三好さんをはじめとする重度障がい者10人が「パイロット」として採用され、オリヒメを操作する。
指を動かせない人は視線で入力できるソフトを使う。
パイロットはシフト制で、時給は1000円だ。

三好さんは2013年に島根県立江津清和養護学校の高等部を卒業した。
当時は医療的ケアが必要な障がい児や重症心身障がい児も利用できる医療型の障がい児入所施設で暮らしていた。

働きたいと望んだが、得られたのはシール貼りやデータ入力の仕事、人形の土台を作る軽作業のみ。

「施設の自分の部屋で、内職みたいにしていました」

三好さんにとって、「分身ロボットカフェ」での仕事はすべてが「心が躍るような経験」だった。
「すれ違いざまにオリヒメ同士で手を振ったり、声を掛け合ったり。同僚ってこんな感じなのかなって。

従来の在宅ワークでは『職場感』みたいなものはなかなか味わえなかったんです」



三好さんの「アバター」として活躍したオリヒメを開発したのが、オリィ研究所代表・吉藤健太朗さん(31)だ。

吉藤さんは、今回のカフェを「公開実験」と位置付ける。

「実験結果として最も重視したのは、働いて面白いかどうかです。面白くない仕事だったらAIに任せればいいんです。店員として働いていた10人はみんな『夢のような時間だった』と言ってくれました。働くうちに仲間意識が一気に向上して、最終日に近づくころにはロボットとスタッフとで『イエーイ』ってハイタッチしていたり」



「寝たきり社長」が経営する会社

愛知県東海市の住宅街。
あるアパートの一室に、佐藤仙務(ひさむ)さん(27)を訪ねた。

「寝たきり社長」と称して、ウェブサイトや印刷物のデザイン・制作を請け負う会社「仙拓」を経営している。
初の決算は2012年5月で、売上高は76万750円だった。
それから7年。
「売上高は、初決算から約10倍には伸ばしています」佐藤さんも三好さんと同じ脊髄性筋萎縮症だ。

実際、重度障がい者の就労は「稼ぐ」というイメージからはほど遠い。
就労系の障がい福祉サービス「就労継続支援B型事業(以下、B型事業)」で働く人の平均工賃は、全国平均で月額1万5603円 (2017年度)。
雇用契約を結ばないため、最低賃金の適用外だ。

佐藤さんは「障がい者が働くというイメージを、根っこのところから変えていきたい」と力を込めて話す。

現在、仙拓で働く社員は7人、フリーランスの外部スタッフが3人。
全員が在宅勤務で、重度の障がいがあり家族による介護を受けている人、宗本さんのように病室で勤務する人など、状況はさまざま。
1日に数時間だけ働く人もいるし、週に数日だけ働く人もいる。

仙拓では、働く人の個々の事情や要望に合わせるために、クラウドによる勤怠管理システムを使い、時給換算で月給を支払う。

「僕は最近、障がい者が働くうえで、必ずしも既存の『障がい者雇用』の枠組みでなくてもいいんじゃないかということを考えていて。というのは、働き方っていろいろあっていいと思うからなんです。うちには障がい者のほかに、健常者で子育てや家事を優先させて働く人もいます」

「分身ロボットカフェ」の「アバター就労」の実験。
「寝たきり社長」が取り組む、障がい者雇用の枠組みを飛び出した会社経営。

働き方改革や女性活躍が言われるなかで、重度障がい者自身による挑戦は、「なぜ働きたいのか」「どんなふうに働きたいのか」を私たちに問い掛ける。

以下、世界が注目!!分身ロボットから引用します。


家に分身ロボットを置いて、単身赴任中のお父さんが操作する。

ロボットを通じてお父さんが「帰宅」し、家族と同じテレビを見て、同じところで笑える時間を共有する。

そんな分身ロボットを開発した吉藤健太朗さんは、世界から注目される人物だ。

吉藤さんは、分身ロボットで「存在感」を伝え、人が感じる孤独感の解消を目指しているという。


以下、北海道に注目 障害者の働き方から引用します。


北海道で始まっている障害者の新たな働き方が全国から注目されています。

キーワードは“離れた場所で柔軟に”。

道内の障害者の新たな働き方として広がりをみせているのが「テレワーク」です。

テレワークはパソコンやインターネットなどを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、雪が多く広大な北海道の障害者にとってはメリットが大きいとされています。

そのテレワークで働いている1人が、道南の八雲町に住む宮川和也さん(19)です。

宮川さんは全身の筋肉が萎縮する筋ジストロフィーを患い、町内にある国立病院機構八雲病院に入院していますが、病室とは別の部屋にノートパソコンなどを持ち込んで働いています。

宮川さんは去年、札幌市の賃貸物件を管理する会社に就職し、今は広報担当として会社のフェイスブックの更新や社外報の制作を手がけています。

就職を希望した当初は通勤が大きなネックになったという宮川さんはテレワークについて、「僕たちに合ったすごく働きやすい就労方法だと思います。病院の外でも社会の組織に所属しているという“所属感”が強いので、社会の一員なんだと実感できます」と話しています。

いずれも、外出が困難な重度の肢体不自由者のことが書かれていますが、両者に共通しているのが「ICTの活用」と「自宅にいながらでも働ける仕組み」です。

Samも含めた特別支援教育に携わる教員にとって、子どもたちの自立と社会参加は究極の目標であり、そのために必要な教育内容を選定し方法を工夫しながら力を伸ばしていくことが責務であると考えています。

しかしながら、テレワークやアバターワークができるインフラが整ってきている時代なのに、特別支援学校にはそれを体験できる環境が整っていません。

「学習指導要領が変わったので、それに対応しないといけない」と現場で言っている間に世の中はもっと先に進んでいます。

世の中の動きを踏まえた上で教育内容を変えていく柔軟さが必要だと思います。
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Samの情報源は、本などの紙媒体よりもWeb情報がほとんどです。
その中で最もお世話になっている情報源は、日本福祉大学スポーツ科学部教授の金森克浩さんが主宰しておられるkintaのブログです。

特別支援教育におけるAT(Assistibve Technology:支援技術)やAAC(Augmentative and Alternative Communication:拡大代替コミュニケーション)に関する情報が盛りだくさんのブログですから、Samのブログを訪れてくださっている方の多くがご存知のことと思います。
パソコンを使う人のイラスト
そのkintaのブログには、AT・AAC関係の本という項目があります。
我が国で購入可能な本が網羅されていますので「やっぱり情報は本から!」と言われる方は是非チェックしてみてください。

以下、kintaのブログAT・AAC関係の本に記載してある本のタイトルを引用します。


1.金森が関わった本
◯はげみ No.380「視線入力でらくらくコミュニケーション2」
◯はげみ No.374「視線入力でらくらくコミュニケーション」
◯知的障害特別支援学校のICTを活用した授業づくり
◯決定版!特別支援教育のためのタブレット活用
◯学校でのICT利用による読み書き支援 合理的配慮のための具体的な実践
◯特別支援教育の実践情報
◯肢体不自由児のためのタブレットPCの活用
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第7集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第6集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第5集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第4集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第3集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第2集
◯〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第1集
◯特別支援教育におけるATを活用したコミュニケーション支援
◯マジカルトイボックスのアイデア&ヒント+77 障がいの重い子の「わかる」「できる」みんなで「楽しめる」
◯マジカルトイボックスの 教材&アイデア100連発 障がいの重い子の「わかる」「できる」みんなで「楽しめる」
◯はげみ No.350「教育・療育におけるコンピュータの活用」
◯はげみ364号「生活を豊かにする支援機器の活用2」
◯【改訂版】障がいのある子の力を生かすスイッチ製作とおもちゃの改造入門
◯はげみ「生活を豊かにする支援機器の活用〜障害の重い子どもたちへのAACの活用〜」

2.中邑さんの本
◯AAC入門(中邑賢龍)
◯発達障害の子どもの「ユニークさ」を伸ばすテクノロジー
◯学校の中のハイブリッドキッズたち
◯タブレットPC・スマホ時代の子どもの教育
◯バリアフリー・コンフリクト
◯黙って観るコミュニケーション

3.坂井さんの本
◯自閉症や知的障害をもつ人とのコミュニケーションのための10のアイデア
◯ケータイで障がいのある子とちょこっとコミュニケーション

4.その他
◯視覚シンボルで楽々コミュニケーション 障害者の暮らしに役立つシンボル1000 CD-ROM付き ★2(おかわり)★
◯特別支援教育ですぐに役立つ! ICT活用法: ソフトバンクによるモバイル端末活用研究「魔法のプロジェクト」の選りすぐり実践27
◯視覚シンボルで楽々コミュニケーション 障害者の暮らしに役立つシンボル1000 CD-ROM付き
◯特別支援教育のための「ちょいテク」支援グッズ36 アシスティブテクノロジー・小ネタ集
◯特別支援教育・おすすめ「ちょいテク」支援グッズ31
◯読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A
◯特別支援学校におけるアシスティブ・テクノロジー活用ケースブック
◯アシスティブ・テクノロジー活用のためのガイド 〔ATG〕

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