今年の夏巡業では、視線入力に関する話も盛り込んでいるSamです。
講演後の質疑応答の時(片付けている時に質問されることもありますが)「視線入力をしようと思うのですが、どんな機材が必要ですか?」ということをよく質問されます。
視線入力セット
Samが勤務している学校では、視線入力ができる機器類6セットを用意して、同じ時間帯に最大6人の子どもたちが視線入力を利用した学習に取り組めるようにしています。
4人が同時に視線入力
質問に答える意味で、機材の内訳を以下に書き留めておきますが、あくまでも参考程度に読んでください。

視線入力装置→Tobii Eye Tracker 4C
島根大学の伊藤史人さんプロデュースによる視線入力練習アプリEyeMoTシリーズやLook To Learn無料版、描画アプリTux Paint、音楽演奏アプリSOUNOS VALKA、プレゼンテーションアプリPowerPoint、視線マウスアプリmiyasuku EyeCon LT、などを動かすのが目的なので、視線入力装置はTobii Eye Tracker 4Cを採用しています。

予算に余裕があれば、Tobii PCEye miniを選ぶのも一つの方法だと思います。
Tobii PCEye miniがあれば、視線入力に対応したオーサリングソフトTobii Communicator 5、視線入力練習アプリセンサリーアイFXLook To Learn、視線分析ソフトトビー視線ビューワを利用することができるようになりますので...。
視線入力練習アプリセンサリーアイFXLook To Learnは、視線マウスアプリがあれば動きますので、Tobii PCEye miniじゃなくてもTobii Eye Tracker 4Cmiyasuku EyeCon LTの組み合わせで使うことができます。

②パソコン→Dell Inspiron 13 5000 2-in-1 プレミアム・タッチパネルモデル(生産終了)
視線入力装置や上記の各種アプリをサクサク動かすためには、ある程度スペックの高いパソコン(CPUはIntel Core i5以上、メモリ8GB以上、内蔵ストレージはSSDで128GB以上、USB-TypeAポート2基以上)を選んでおけば間違いありません。
教室間の移動や持ち運びのしやすさからノートパソコンをチョイスしています。
また、EyeMoTシリーズやLook To Learn無料版を動かす際、ノートパソコンのディスプレイがタッチパネルになっていると、アプリの操作がしやすくて便利です。

以上のような理由から、Dell Inspiron 13 5000 2-in-1 プレミアム・タッチパネルモデルCPU:Intel Core i5、メモリ:8GB、ストレージ:256GBのSSD)を採用しています。
この機種は、ディスプレイを360°回転させてWindowsタブレットにもなりますので、DropTalkを利用すればiPadやAndroidタブレットのように持ち運びができるVOCAとしても使えます。
ただし、2018年8月22日時点でDellのオンラインストアから購入できなくなっていますので、後継機であるDell Inspiron 13 7000 2-in-1 プレミアム・タッチパネルモデルCPU:Intel Core i5、メモリ:8GB、ストレージ:256GBのSSD)をオススメします。

外付けディスプレイを購入しない場合、ノートパソコンのディスプレイサイズは15〜17インチの機種が良いでしょう。
Microsoft社のSurface Proシリーズは、一般的なノートパソコンよりもディスプレイサイズが小さいですし、USB-TypeAポートが1基しかありませんので、視線入力用としてはオススメしません。

③外付け
ディスプレイ外部モニター)→iiyama ProLite XU2492HSU(生産終了)
Tobii Eye Tracker 4Cはディスプレイの下のベゼル(=画面周囲の枠のことです)部分に、磁石で貼り付けて使います。
したがって、メーカーのエンブレムが付いていたり、ベゼル幅が極端に狭いと
Tobii Eye Tracker 4C取り付けられなくなりますので、注意が必要です。
Tobii Eye Tracker 4CTobii PCEye miniは21インチサイズのディスプレイまでが推奨とされていますが、24インチまでは大丈夫です。
特に、重度・重複障害のため見えづらさがある子どもが使う場合、大きめのディスプレイが良いと思います。

iiyama ProLite XU2492HSUは、VGAケーブル・HDMIケーブル・DisplayPortケーブルが同梱されていますので、別途ケーブルを買う必要がありませんので費用を抑えることができました。
しかし、2018年8月22日時点では生産終了になっていますので、ご注意ください。
視線入力は固定が命です。
重度・重複障害児(者)の場合、どのような姿勢で利用するかを考慮する必要があります。
そのためには、ディスプレイの高さや向きを変更することができる固定具が必要です。
以上のような理由から、パソッテルH型フレーム液晶ディスプレイ用Bタイプを採用しています。

④パソコン用無線マウス→Logicool M337 Bluetooth Mouse
支援者がパソコンを操作する時に、あると便利なものが無線マウスです。
無線マウスにはUSBを利用したものとBluetoothを利用したものがありますが、前者を利用するとパソコンの
USBポートが1基ふさがってしまいますので、Bluetoothマウスをオススメします。
上記の理由と価格の面から、Logicool M337 Bluetooth Mouse採用しています。

⑤振動フィードバック装置
重度・重複障害児(者)の因果関係理解を促す学習においては、振動をフィードバックすると効果が上がると思います。
島根大学の伊藤史人さんプロデュースによる視線入力練習アプリEyeMoTシリーズは、バイブマンというインターフェイス経由で振動クッションを作動させる機能が盛り込まれていますので、6セット分用意しています。
振動まくらとバイブマンの接続
EyeMoTシリーズ以外のアプリで振動をフィードバックするには、ENSOUNDさんの抱っこスピーカーHugMeがオススメです。
Hug MeをEyeMoT 3D_00風船割りで試す
以上、「視線入力を導入したい」という方の参考になればと思い、書いてみました。
他にも良い機種があると思いますので、家電量販店などで実機に触れてみてから購入することをオススメします。
なお、購入する際は自己責任でお願いしますね。
180725研修会04