肢体不自由のある方々が、パソコンやタブレット端末、スマートフォンといったICT機器を利用する際、どのような方法で入力するかがカギとなることがあります。

パソコンであればマウスやキーボードの操作、タブレット端末やスマートフォンであればタップやスワイプといった画面操作、が代表的な入力方法ですが、肢体不自由のある方々の中には、それらの操作が困難な場合があります。

最近では、比較的ローコストで手に入るようになったEye Tracking DevicesやHead Tracking Devices(Face Tracking Devicesと呼ぶこともあります)といった視線や頭(顔)を動かすことでマウスを操作できる装置が注目を浴びていますが、外付けスイッチに入力してスキャン入力したり、視線や頭(顔)でマウスポインターを動かして外付けスイッチへの入力でクリックするといった入力方法を採用しておられる方々も少なくありません。

障害者・児が得意な動作で入力することができる外付けスイッチ(アメリカなどではAdaptive Switchと呼ばれているようです)をパソコン、タブレット端末、スマートフォンといったICT機器で使用するには、外付けスイッチとICT機器を繋ぐためのインターフェイスが必要になります。

「できマウス。」プロジェクトさんは、肢体不自由のある方々が「楽に」ICT機器に入力するためのインターフェイスやアプリの開発を2001年から続けてこられました。

その集大成とも言えるスイッチ・インターフェイスが間もなくリリースされるという情報が届きました。

その名も「できマウスS。」
「できマウスS。」本体
本体には、USB-Aコネクター付きコードと外付けスイッチを4個まで接続することができる挿し込み口があります。

以下、「できマウスS。」の特筆すべき点を列記します。


◯本体がプラスチックケースになったため約30gと従来機(「できマウス。」「できマウス3。」「できマウス3A。」「できマウス3Ai。」)よりも小型軽量になり、性能も上位互換となっています。

◯内部の仕様が改善され、Windows10/8.1/7、iOS(LightningポートのiPad/iPhone/iPod touchではApple社のLightning – USB 3カメラアダプタと併用して使います)、macOS、Androidの各OSで使えるようになっています。
※iOSとmacOSのスイッチコントロール、Android6.0以降のスイッチアクセスに対応

◯Windowsでは、マウスやキーボードの機能も提供されています。

◯電源はICT機器のUSB端子から供給されますので、乾電池や電源コードは不要です。

◯Windows版視線入力アプリmiyasuku EyeCon SWHearty AiOriHime eyeの決定キーとして利用できます。

どのOSにもUSB接続で対応可能という意味では、現時点におけるUSB接続スイッチ・インターフェイスでは最強ではないでしょうか?

「できマウス。」プロジェクトさんから「できマウスS。」のデモ機を提供していただきましたので、iOSのスイッチコントロール用インターフェイスとして試してみた様子を撮影してYouTubeにアップしました。

なお、この動画で使った機材は、第3世代iPad Pro(iOS12.1.4)、「できマウスS。」Anker社のUSB-C&USB3.0変換アダプター、外付けスイッチです。

2019年3月10日から発売開始で、価格は13,500円(税別)です。
詳しくは「できマウス。」プロジェクトさんのサイト「できマウスS。」をチェックしてください。