MacやiPadといったApple製品は、障害者がそれらのデバイスを使いやすくするための仕組み「アクセシビリティ」が買った時から付いています。
肢体不自由のある方の中には、パソコンのマウスやキーボードを操作することや、タブレット端末やスマートフォンへのタップやスワイプなどの操作をする上での困難さがあります。
しかしながら、障害者用に開発された外付けスイッチであれば入力できたり、タブレット端末やスマートフォンの画面のどこかであればタップできたりする方がいらっしゃいます。
そのような方々がMacやiPad/iPhoneを使えるようにするために、スイッチコントロールというアクセシビリティ機能があります。
2016年の秋、AppleはMacOS Sierraをリリースすると共にiOSを10にアップデートしました。
その際、《iPhoneとiPad》や《iPhone/iPadとMac》の間でアクセシビリティ【スイッチコントロール】を作動させることが可能になるテクノロジーを組み込みました。
その結果、2つのデバイスが同一Wi-Fi環境にあれば、「iPhone/iPadそのものをスイッチとして画面にタップしたり、iPhone/iPadに接続した外付けスイッチに入力したりするだけで、別のiPhone/iPadやMacのスイッチコントロールを作動させる」ことができるようになりました。
また、その逆である「Macに接続した外付けスイッチでiPhone/iPadのスイッチコントロールを作動させる」こともできるようになっています。
同一Wi-Fi下に置いたiPhoneで、すぐ近くにあるiPadを制御している様子を撮影して、2016年11月12日YouTubeにアップしています。
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iOS10スイッチコントロールの新機能【他のデバイスを操作する】161112
この動画では、iOS10のiPhone5とiPad mini4を同一Wi-Fi下に置いて、iPhone5に接続した外付けスイッチに入力することによって、iPad mini4のスイッチコントロールを作動させた様子を紹介しています。
iOS10のスイッチコントロールには、①自動ハイライト、②手動ハイライト、③単一スイッチ・ステップ・ハイライト、の3種類のハイライトがありますが、この動画のiPhone5とiPad mini4では③単一スイッチ・ステップ・ハイライトを採用しています。
なお、外付けスイッチはAbleNet社のBig Switchを使い、ビット・トレード・ワン社の変わる君に接続しています。
また、変わる君はiPhone5のLightningポートに接続したApple社のLightning-USB3カメラアダプタに繋いでいます。
肢体不自由のある方で、すでにMacやiPhone/iPadをスイッチコントロールで使っておられる方にとっては大したことではない機能かもしれません。
2016年に動画を撮影・編集するに当たり、「わざわざ別のデバイスをスイッチコントロールで操作する必要性は無いのではないか?」と思いましたが、macOSとiOS/iPadOSのスイッチコントロール機能で、以下のようなことができるようになるのではないかと思いました。
興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。
①Macに接続した外付けスイッチを操作して、iPhoneのスイッチコントロールを作動させることによって電話をかける。
②「iPhoneの画面をタップするだけ」または「iPhoneに接続した外付けスイッチに入力するだけ」で、iPadとMacを切り替えて、それぞれのデバイスを使い分けることができる。
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