2019年12月4日のブログiPad Pro 12.9インチに取り付けて使うEye Trackerが登場以来、久しぶりの「iPadで視線入力」ネタです。
2021年5月29日、Boston Children's HospitalにあるJay S. Fishman ALS Augmentative Communication Programさんが、非常に興味深い動画をYouTubeにアップされました。
Hiruを試すJohn Costelloさん
その動画がコチラ!
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Beta trial of Eye Tracking access to Predictable app on iPad Pro using Irisbond HIRU camera

スペインにあるIRISBOND社(2013年設立)が開発したHiruという視線追跡装置をiPad ProのUSB-Cポートに接続して、視線入力で操作している動画なのです。
※動画でHiruを試用&解説しているのはJay S. Fishman ALS Augmentative Communication ProgramのトップJohn Costelloさん。
Hiru本体
IRISBOND社のサイトには「世界初のマルチプラットフォームに対応した視線追跡装置」という記述があります。
Hiruの謳い文句
2021年1月6日のブログ視線追跡装置(Eye Tracker)を内蔵したiPad Pro 12.9インチ用ケース【Skyle for iPad Pro】レビューで紹介したSkyle for iPad Pro(ドイツのeyev社が開発し、イギリスのInclusive Technology社が販売)を試してみましたが、正直なところWindows用視線追跡装置ほど精度は良くないと感じていました。
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視線追跡装置を内蔵したiPad Pro 12.9インチ用ケース【Skyle for iPad Pro】で視線入力を試す20210104_#0544

しかしながら、Jay S. Fishman ALS Augmentative Communication Programさんの動画では、視線入力の精度がかなり良いように見えました。
そこで、IRISBOND社に購入するための手続きなどを尋ねたところ「日本には輸入代理店が無いので、あなたがHiruを購入することは今のところ難しい。日本にニーズが有るのであれば、我々は販売できるように輸入代理店を探したいが、どこか知らないか?」という返信が届きましたので、スウェーデンのTobii Dynabox社やアメリカのEye Tech社と取引のある株式会社ユニコーンさんを紹介しました。

その後、2021年7月30日に株式会社ユニコーンさんが「IRISBOND社からHiruを入手しましたので、iPad Proで試してみました」という内容の動画をYouTubeにアップされました。
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Irisbond社製アイトラッカー[Hiru]をiPadProで動作させた様子です。

さっそく株式会社ユニコーンさんにお願いして、Hiruを試させていただきました。
Hiruを取り付けたiPadPro
ATマインドを持つ3人
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写真左から一般社団法人できわかクリエイターズ代表理事の引地 晶久さん、株式会社ユニコーン社長の中島 勝幸さん、Sam
Hiruと顔の位置関係
その時に撮った動画がコチラです。
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視線追跡装置HiruをiPad Pro 12.9インチ(第4世代)に接続して視線入力を試してみました20210806_#0594

正直なところ、視線入力の精度はWindowsPCで使っているTobii Dynavox社のPCEye 5やEye Tech社のTM5-miniと遜色ありません!
お世辞抜きで、この精度であれば使えますね。
※中島さんも引地さんも同意見です。

ただし、まだOSレベルで視線入力するためのアプリは開発段階であり、現時点においてHiruで使えるアプリは限られています。

2021年5月21日のブログAppleはアクセシビリティを新たにアップデートするそうです〜iPadで視線入力ができるようになるかもに書いたように、Appleは今秋リリース予定のiPadOS15で「サードパーティ製のアイトラッキングデバイスをサポートし、人々が視線を動かすだけでiPadを操作できるようにします。」と公言しています。
Appleの2021年5月19日Newsroom画面
iPadで使える視線追跡装置を開発・販売するベンダーかは明らかになっていませんが、Hiruのアップデートと併せて、iPadOSのアップデート並びにiPadで使える視線追跡装置の登場が楽しみですね。