先週から再開した障害児・者と支援者のためのe-AT活用オンラインセミナーに参加された学校の教員から「GIGAスクール構想でiPadが配備されました。担当している子どものためのVOCAアプリをダウンロードしようとしたのですが、教育委員会が制限をかけているのでダウンロードできないんです。しかも無料アプリでさえダウンロードできないんですよ。」というメッセージをいただきました。
この件については、自治体間格差があるようですが、各自治体の教育委員会には打開策を学校現場に提示してもらいたいものです。
一方、GIGAスクール構想の目玉の一つは、高速大容量のネットワークを整備することでした。
これについては、ほとんど愚痴を聞くことはなくなりましたので、子どもたちに配備された学習者用タブレット端末からインターネットに接続できるようになったようですね。

ということは、2022年1月9日のブログオンラインで使える視線入力コミュニケーションボードのUIが興味深い件で紹介したCommunication.ioのようなWebアプリがあれば、上述した教員の悩みに応えられるのではないでしょうか?
CommunicationBoardアプリ
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WindowsパソコンのWebブラウザMicrosoft Edgeで起動したCommunication.ioの画面
Communication.io は、パソコンやスマートデバイスの内蔵カメラやWebカメラを利用して視線で入力することを目的として開発されましたが、プロトタイプということもあって、ユーザーや支援者による音声付きコミュニケーションカードのカスタマイズは、まだできません。

そんな折、Facebookの海外ユーザーグループでCboardというWebアプリがあることを教えてもらいました!
Cboardのサイトトップ画面
CboardサイトのHELPを日本語訳して読んでみると、「写真やシンボルに音声(合成音声または録音音声)を付けて使えるAACのためのWebベースのアプリケーションです。Mac、Windows、Androidオペレーティングシステムを使用するデスクトップ、タブレット、携帯電話など、さまざまなデバイスを使用してオンラインで利用できます。33の言語に対応しています。」と嬉しいことが書いてあります。
さっそくCboardのサイトにアクセスして、画面内の【START CBOARD】をクリック!
Cboardスタート画面
GoogelまたはFacebookでサインインを求められますが、とりあえず【SKIP FOR NOW】をクリックorタップすると、下図のような画面に変わります。
Cboardの起動画面
iPadのSafariで起動しても同じような表示になりましたので、ちょこちょこっと触ってみたところ日本語で表示したり、写真アプリに保存しておいた画像を表示したりとカスタマイズすることができました。
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iPadで日本語表示
端末に入っている合成音声を利用して日本語で音声出力できますし、自分の音声を録音して出力することもできました。
iPadでは録音した音声を出力する際の音量が小さかったので、録音時に外付けマイクを使うといった工夫が必要かもしれません。
Webブラウザの上の方には、メッセージボードを表示させることもできるようになっています。
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iPadでメッセージボード表示
WindowsパソコンではTobii Eye Tracker 5miyasuku EyeConLT2の組み合わせによる視線入力でも操作できました。
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視線入力でCboardを操作
CboardはWebアプリですし無料で使えますから、アプリの購入に悩んでいる学校関係者にとっては助かるのではないでしょうか。
スペイン語ですが紹介動画があります(字幕は英語です)。
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Cboard AAC web app aiding communication with symbols and text-to-speech(YouTube動画へ)

こちらの動画は英語で解説してあります。
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CBoard - AAC for the browser - UNICEF INNOVATION FUND(YouTube動画へ)

また、Windowsパソコン用のVOCAアプリはなかなか無いので、興味のある方は試してみてください。

なお、このブログ記事を書くにあたってはCboardさんから許諾を得ています。