2022年6月26日のブログA特別支援学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録①〜アクセシビリティスイッチのフィッティングはお得なことがカギ、6月28日のブログA特別支援学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録②〜手が動かせないけどボッチャをやりたいの続編です。

相談内容の3例目は、小学部通学学級の児童Dさんを担任している先生からの「GIGAスクール構想で配備されたiPadがあるのですが、Dさんにどうやって使わせたら良いでしょうか?将来的には選択ができるようになったりシンボルや音声で意思が表出できるようになってほしいと考えています。」という難解な相談です。
選択する力の前に「自分がアクションを起こしたら楽しい変化が起きる」という経験をすることが重要だと思っています。
いわゆる因果関係への気づきですね。
そのためには、本人にとって《お得なこと》は何かを知る必要があると思います。

「好きなことは何ですか?嫌いではないことでも良いですよ。」と担任の先生に尋ねたところ「NHKのEテレで放送されている番組の動画ですかね」という答えが返ってきましたので、iPadでYouTubeを開き、その中でDさんが好きそうな動画をチョイスしてもらいました。
iPadをYouTube再生機にするのではなく、Dさんが画面に触れると動画が再生するようにしたいのですが、ピンポイントでタップするのは難しそう...
そこで、スイッチ接続ジャック付きのBluetoothマウスとアクセシビリティスイッチ(今回はAbleNet社のJelly Bean Switch)を利用してみることにしました。
スイッチでiPadに入力
スイッチを目の前に置けば、いきなり再生できるというわけではありませんので、まずは先生が手本を見せ、次に手添えして...
すると、「これ(Jelly Bean Switch)を押したら動画が再生されているゾ」と気づいたようで、自分からJelly Bean Switchを押して再生するようになりました。
先生にお願いして、動画が再生されてDさんが画面に見入っている時に、わざと一時停止アイコンをマウスでクリックしてもらうようにしたところ、ソッコーでJelly Bean Switchを押すDさん...

「スイッチを押すと動画が再生できる」という因果関係に気づいてくれたようです。
このようにして、Dさんにとってお得なアプリを探して、試してみることをオススメしました。
ゆくゆくは、アプリのことがイメージしやすい絵カードを準備すれば、その中から選んでもらえるようになるかもしれませんね。

今日のところは、ここまで...