2022年6月26日から紹介してきたA特別支援学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録のラストです。

相談内容の4例目は、小学部通学学級の児童Eくんを担任している先生からの「視線入力で因果関係の理解を図る学習に取り組んでいるのですが、キャリブレーションがうまく取れないので困っています。」という相談です。
A特別支援学校には、米国Eye Tech社の視線追跡装置TM5-miniが多数配備されています。
TM5-mini
Eくんは座位姿勢になると呼吸状態が悪くなるので、仰臥位姿勢で顔を右側に向けて視線で入力していて、miyasukuスタンドを使った位置調整はバッチリできていました。
仰臥位で視線入力
 ↑ ↑ ↑
Eくんの様子を撮り忘れたので、だいたいこんな感じというイメージ写真です

学習で使用しているWindows10ノートパソコンには、視線マウスアプリmiyasuku EyeConLT2がインストールされていましたので、そのキャリブレーション機能を使ってもらうようにお願いしてみました。
すると、miyasuku EyeConLT2がONになっていないにも関わらずマウスポインタが勝手に動くのです。
どうやらEくんの視線に反応している様子...
バックグラウンドでEyeMoT Mouseが動いているのかと思ってチェックしてみても関係ありませんでした。
「ICT困った時には再起動」という言葉があるかどうかは知りませんが、ひとまず担任の先生にWindowsパソコンを再起動してもらいました。

そうすると、TM5-miniはEくんの視線を認識していますが、勝手にマウスポインタが動くことはありません。
miyasuku EyeConLT2EyeMoT Mouseを別々に起動してもらうと、Eくんの視線に合わせてマウスポインタが動きますので無事に解決!(でも、原因は謎のままです)

Eくんにとって、キャリブレーションをとる作業は退屈で面白くありませんので、代わりにバブルを表示して、その軌跡をチェックすることでEくんの視線の位置を確認することを提案しました。
そこで、miyasuku EyeConLT2の視線追跡機能を利用する方法を紹介することにしました。
miyasuku EyeConLT2の新機能_バブル表示
ところが、上写真のような【視線追跡を表示する】という項目が無いのです!
バージョンを調べてみたところ古いバージョンであることが判明。
株式会社ユニコーンさんにサポートしてもらって、最新バージョンにアップデートして無事に解決。
 ↓ ↓ ↓


miyasuku EyeConLT2のホームページ内の「無料体験版は、14日間お試しいただけます」より少し下にある「ダウンロード」ボタンを押してダウンロードします。

ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、install.bat を起動してインストールするとアップデートできます。
視線マウスアプリmiyasuku EyeConLT2 (Ver3.1.0.0)の新機能を視線追跡装置TM5-miniで試す20201225_#0540

併せて、EyeMoT Mouseのトレース機能の使い方も紹介しました。
視線のトレース画面
これらをうまく使い分けることで、Eくんがどこを見ているのかが分かりやすくなると思います。