2022年9月28日(水曜日)、佐賀県佐賀市にある医療的ケア児者対応の重心型デイサービス&日中一時支援事業所にこっと(nicotto)さんでのe-AT活用サポートに関する備忘録第2弾です。

第1弾はコチラ
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佐賀市にこっと(nicotto)さんでの9月2回目のe-AT活用サポート①〜スイッチ入力でディスコライトを点灯させて遊んでもらいました
KMEでSwitchBotプラグミニを制御01
この日2人目は、特別支援学校(肢体不自由)に在籍する中学3年生のAくん。
Aくんは、PPSスイッチBIGmackレッツ・チャット(2019年7月生産終了)、視線入力といった多様な方法で能動的な活動にトライしている子どもさんです。
空気圧センサーでカプチーノミキサーを動かす仕組み
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両足の裏の間にはさんだPPSスイッチの空気圧センサーに入力して乾電池で動く機器を操作するAくん
EyeMoT_3DX_00運動会_綱引き
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島根大学総合理工学研究科の伊藤史人助教の開発チームが開発・提供しているインクルーシブゲームEyeMoT 3DX_00「運動会」を視線入力で操作するAくん
空気圧センサーでワンスイッチ野球盤
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島根大学総合理工学研究科の伊藤史人助教の開発チームが開発・提供しているSCoT 3D Game_03「ワンスイッチ野球盤」PPSスイッチの空気圧センサーで入力しているAくん

そんなAくんは、在籍している学校のインターンシップ学習でにこっと(nicotto)さんを選択。
当日は、担任のH先生が来所されて、Aくんの活動をサポート。
そのインターンシップ学習で取り組まれたのが、視線入力で紙を切るという活動です。
H先生によると「美術科の学習で作っている作品をにこっと(nicotto)さんでのインターンシップで完成させちゃおう」という計画だそうです。

で、その仕組みが超絶スゴいのです!!!
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視線入力で紙を切る工夫02
Aくんの顔の前には視線入力するための視線追跡装置Tobii Eye Tracker 4Cが取り付けられたディスプレイがあり、キチンとパソッテルで固定されています。
そのディスプレイに映し出されているのは、島根大学総合理工学研究科の伊藤史人助教の開発チームが開発・提供しているEyeMoTボックスアプリです。
Webカメラ越しに電動ハサミが見えるようになっていて、電動ハサミが映っているエリアを視線スイッチとして設定してあります。
電動ハサミにはBDアダプタが接続されていて、その先にはEyeMoTボックス4ch版が繋がっています。
視線入力で紙を切る仕組み
そして、H先生が持った紙を電動ハサミの刃に合わせた時に、AくんがEyeMoTボックスアプリの真ん中あたりに設定された視線スイッチを注視すると電動ハサミの電源がONになって紙を切ることができるという仕組みなのです。
視線入力で紙を切る工夫01
H先生によると、にこっと(nicotto)さんに持ち込まれた機材のほとんどは学校の予算で揃えていて、普段の授業で頻繁に使っておられるとのこと...
「パソコンのスペックが低いので、よくフリーズするんですよねぇ...」とグチをこぼされたH先生でしたが、セッティングもテキパキとこなし、Aくんへの絶妙な言葉かけに圧倒されたSamでした。
と文字で書いても分かりづらいと思いますので、その様子をYouTubeにアップしました。
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220928中3年-Windows用EyeMoTボックスアプリに視線で入力して電動ハサミを作動させて紙を切る20221004_#0759(YouTube動画へ)

この仕組みに関してアドバイスすることは特にありませんでしたが、意思伝達用として使っているmiyasuku Keyboard(視線マウスはmiyasuku EyeConLT2を使っておられました)のレイアウトが、Aくんにとって使いにくそうだったので、ちょこっと改変させていただきました。
改変前のmiyasukuキーボード
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改変前のmiyasuku Keyboard
4枚の画像の間隔を空けて視線の通り道を作ると音声のリピートが減ると思って改変しました。
※改変後の写真を撮り忘れています(-_-;)。
また、miyasuku EyeConLT2はバブルが表示されない旧バージョンだったので、インターネットに接続してバージョンアップしていただくと良いでしょうね。

そして、Aくんのインターンシップは、まだまだ続くのであります...