2022年7月15日(金曜日)に引き続き、11月11日(金曜日)にB特別支援学校からの依頼で、e-AT活用に関するコンサルテーションの機会をいただきました。
備忘録として、また、該当校の皆さんに振り返っていただくため数回に分けて書いてみます。

まずは、高校1年生Aさんの担任教師からの「iPadのVOCAアプリで朝の会の司会をしてもらっています。筋緊張が強くて画面タップは難しいので、iPadの画面にi+Padタッチャーを貼り、右手でクリップアーム棒スイッチに入力してタップ操作を行っています。スイッチ入力に時間がかかる上にかなり力を入れないと入力できないので、楽に入力できるスイッチはありませんか?」という相談について...
右手で棒スイッチに入力
実際に操作している様子を見させていただきましたが、担任教師が言われるように、Aさんが棒スイッチに入力しようとすると、スイッチの位置に手を伸ばすのに時間がかかります。
また、右手に力が入り過ぎて棒スイッチがチャタリングを起こしてしまって複数回タップしてしまうことがあります。
「理屈は分かっているので、スイッチ入力が大変だったり失敗したりすると諦めてしまいそうだなぁ...」と思って観察していると、左手の不随意運動を軽減するために、ベルトでテーブルに固定した左手が動いています。
Aさんに「左手でやってみる?」と尋ねたところ嫌そうではなかったので、左手の位置に棒スイッチを設置してみました。
左手で棒スイッチに入力
右手よりもはるかに早く、しかも力が入りすぎずに入力できていて、満足そうなAさん...
何度か入力を試してもらっているうちに、左手はニギニギするような動きだったので、柔らかいスポンジボールを握ってもらいました。
スポンジボールを握るAさん
「握って」「離して」「握って」「離して」・・・と指示すると楽に握ったり離したりができます。
これなら、100均ショップダイソーで売っているぽっちゃりアニマルバルーン を空気圧センサー代わりにしてPPSスイッチを使う方法もありますね。
ぽっちゃりアニマルバルーン
その際、メカニカルスイッチのように「カチっ」という手応えが無いので、入力時にPPSスイッチ本体からビープ音が鳴るように設定しておくと良いかもしれません。

また、頭を動かすことは楽そうに見えたので、スペックスイッチをネックレスと右側のカバーの中に入れて試してもらいました。
スペックスイッチ
スペックスイッチの設置
棒スイッチのようにチャタリングを起こすことはなくいので、誤入力はありませんでした。
取り外しやすさを考慮して、スペックスイッチに専用ベルトを付けて、右側のネ
ックレストに巻いても良いと思います。
ただし、右側に顔を向けて入力した後に、筋緊張を弛緩させて顔を正面に向けるのに時間がかかることがありますので、本人と要相談です。

わずかな時間で、いくつかのスイッチ入力を試してもらいましたが、自分で「これがイイ」と判断できるAさんなので、支援者が一方的に決めるのではなく、相談しながら試していくというスタンスが重要だということを伝えて次の子どもさんが待つ教室に向かいました。

今日はココまで...