2022年7月15日(金曜日)と11月11日(金曜日)に引き続き、2023年1月31日(火曜日)にB特別支援学校からの依頼で、e-AT活用に関するコンサルテーションに行ってきました。
備忘録として、また、該当校の皆さんに振り返っていただくため数回に分けて書いてみます。
B特別支援学校
まずは、高校3年生Aさんの相談ケースです。
卒業を間近に控えたAさんは、進行性の難病による肢体不自由があります。
小学生の頃は立って走ることができていて、居住地の小学校に通っていたそうですが、次第に運動機能が低下し、中学生からB特別支援学校に通学するようになったそうです。
地元の市役所の協力を得て、分身ロボットOriHimeを市役所の入口に設置させてもらい、Aさんが教室からiPadのOriHime Bizコントローラーアプリを操作して、来庁者に「こんにちは」「手指消毒と検温をお願いします」と呼びかけるという現場実習に取り組んでいました。
教室からiPadでOriHimeを操作するAさん
これまでにも数回チャレンジしたそうで、iPadアプリOriHime Bizコントローラーの操作方法には慣れていて、来庁者への言葉かけもタイミングよくできていました。
すると担当教員から「腕を上げたり手指を動かすことが以前よりも難しくなってきています。今のうちに代替方法を検討しておきたいのですが、何か良い方法はありませんか?」という相談が寄せられました。
「将来、視線入力を使わざるを得ない状態になるかもしれない」と心配されていましたが、卒業するまでの時間も残り少ないですので、今から視線入力の練習をしても、自宅や卒業後の事業所にもありませんから実用性は低いと思います。もちろん、将来を見据えて視線入力を経験しておくことは悪くないと思いますが、せっかく自分のiPadも持っていますので、ちょこっとだけ入力しやすい方法を提供してはどうでしょうか」とアドバイスし、持参していたトラックパッドを使ってもらうことにしました。
トラックパッドを接続したiPad
トラックパッドなら手指を動かす範囲が狭くてもOKです。
iPadに限らずWindowsでもマウスポインタを操作することで入力できますので、マウス操作の理屈とやり方を覚えておけば、視線入力を使う状況になった時も、方法を思い出して意思伝達などに活用できるようになると思います。
教室からiPadでOriHimeを操作する
Aさんによると「これ(=トラックパッド)使いやすいですね」「iPadをさわるよりも楽です」と好評でした。
B特別支援学校にはMagic Trackpadがありますが、他の生徒さんが常時使っておられますので、交代交代に使うか追加購入して活用すると良いでしょうね。

今日のところはココまで...