2023年2月14日(火曜日)中国地方にあるH特別支援学校で行った今年度2回目のe-AT活用に関するコンサルテーションの備忘録第3弾です。
第1弾はコチラ
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H特別支援学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション(2回目)記録①〜e-ATを活用してコミュニケーションを拡げている例を間近で見せてもらいました
ウゴキんぐで友達にマッサージ
第2弾はコチラ
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H特別支援学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション(2回目)記録②〜子どもが持っている能力や可能性を信じて、将来の暮らしに役に立つ学習内容を構築しましょう
スイッチ入力でめくる
3ケース目は中学2年生のDくんです。
知的障害教育部門に在籍しているDくんは、両側感音性難聴による聞こえづらさがあります。
そこで、担任のK先生は、手話やジェスチャーのようなノンテクに加え、GIGAスクール構想で配備されたタブレット端末(iPad)を活用してコミュニケーションできるようにならないだろうかと考えておられるとのこと。
iPadを活用してみようと思うようになったきっかけが、K先生が持っているiPadにインストールされているナンバータッチというアプリを試してみた時に1〜50までの数字を順番にタップできたことだったそうです。
ナンバータッチアプリで学習
そこで、「文字を覚えて文を作って音声表出できるようにならないだろうか」と考えて、iPadのKeynoteアプリで教材を作っておられました。
電子黒板で文字のマッチング操作
電子黒板に表示された2つの文字の中から手前のiPadに表示された文字と同じものをタップして選ぶという内容の教材です。
Dくんは野球が好きだそうで、正解だとピッチャーの絵が表示されストラックアウトボードにボールを投げるというアニメーションが表示されます。
野球好きなDくんは嬉々として、この学習に取り組んでいました。

この学習を深化させるために、ひらがな五十音表の中から選べるようにならないだろうかという教材も作っておられました。
五十音表から文字を選ぶ
ところが、なかなか正解の文字がタップできないので悩んでおられるとのこと。
そこで、以下のことを提案させていただきました。
① Keynote教材で提示した文字を選ぶ際、ひらがな文字をすべて表示するのではなく、行だけ表示して(5文字)選ぶような教材にして、少しずつ行数を増やしていくというやり方はいかがでしょうか?
Bitsboardという教材作成アプリを使って、文字並べや絵と文字のマッチング学習はいかがでしょうか?
Bitsboardでコンテンツを作る方法は、Bitsboardの作り方 というサイトやNPO法人支援機器普及促進協会のサイトにもマニュアルがありますので、それを見ながら作ってみることをオススメしました。
Bitsboardの公式YouTubeチャンネルはコチラです。
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https://www.youtube.com/@bitsboard2655/
ただし、Bitsboardは英語表記なのでコンテンツを作ったり、学習課題を提示する際に使いづらいかもしれません。
③現在、Droplet ProjectさんがBitsboardのような教材作成アプリDropKitを開発中なので、それがリリースされたら試してみると良いかもしれませんね。

K先生は、Dくんの興味関心を大切にした教材を作ることが大好きだそうです。
すでにVOCAアプリを使ってシンボルと音声で意思を伝えることができているDくんですが、K先生の教材が進化して、文字をタイプしながら意思を伝えられるようになる日が来そうです。

今回で、H特別支援学校でのe-AT活用に関するコンサルテーションの振り返りは終わります。