春の訪れを感じる日和となった2023年3月5日(日曜日)は東京マラソンの日でした。
前日からe-ATを活用したスポーツに関するプロジェクトのミーティングで東京入りしていましたので、一般社団法人できわかクリエイターズの代表理事引地 晶久さんと一緒に江戸川区のTさん宅を訪問して、e-AT活用のサポートをしてきました。

今年3◯歳になるTさんは、脳性まひによる重度の四肢麻痺がありますが、発話が可能です。
養護学校(現在の特別支援学校)高等部に在学中、得意な動作である舌打ち音で入力する音声センサースイッチを利用して、パソコンで文章を書いたり絵を描いたりしておられたそうです。
ところが、時間の経過とともに、使っていたパソコンが次第にインターフェイスと接続できなくなり、iPadに変更。
なんでもワイヤレスと音声センサースイッチを使って、iPadOSのスイッチコントロールの自動ハイライトでiPadを操作しておられました。

先輩のススメもあり、今年1月下旬に開催されたeBOCCIAオンライン体験会参加されたことがきっかけで知り合いました。
「視線入力ができないだろうか」という思いで一般社団法人できわかクリエイターズの訪問支援を依頼されたTさんですが、日ごろ使っているiPadのスイッチコントロールがうまく作動しないということもSNSに投稿されていました。
そこで、お節介オジさん発動!
SNSのビデオ通話で困っておられる様子を見せていただいたのですが、「こりゃ、直接行った方が解決するかも」と思い、引地さんとスケジュールを調整して同行することになりました。

まずは、引地 晶久さんが持参したmiyasukuスタンドにノートパソコンを取り付けて視線入力の体験。
EyeMoT射的の視線履歴
その間、SamはTさんにお願いしていたICT救助隊さんの貸し出し機器の中から、試せそうなアクセシビリティスイッチとジョイスティックマウスを設定。
視線入力の体験がひと段落したところで、アクセシビリティスイッチを試してもらうようにしました。
ICT救助隊さんの貸し出し機器入力スイッチ練習/確認用ブザーライトがありましたので、フィッティングの確認用として利用し、引地さんやSamが帰った後も家族やヘルパーさんがすぐにフィッティングできるような方法を探っていきました。
その過程で「良いかも」と思えたのがホッペタッチスイッチTです。
ホッペタッチスイッチで入力練習中
TさんがホッペタッチスイッチTに入力していない左手親指の状態はコチラ
 ↓ ↓ ↓
入力していない状態
TさんがホッペタッチスイッチTに入力している時の左手親指の状態はコチラ
 ↓ ↓ ↓
入力した状態
静止画では分かりにくいかもしれませんが、確実に入力できます。
問題は、家族やヘルパーがこの状態にフィッティングが再現できるかどうかです。
スイッチコントロールの設定も変更し、なんとか使える状態になりました。
ど根性のあるTさんは「やる気スイッチが入った!」そうです。
ICT救助隊さんの貸し出し機器は約1ヶ月お借りすることができるので、その間にうまく使えるようであれば入手されるかもしれません。
集合写真
Tさん、お世話になりました