当ブログの読者や研修会/講演に参加された方から「iPadで視線入力できませんか?」と尋ねられることがよくあります。
これまでに、視線追跡装置が内蔵されたSkyle for iPad ProTD Pilot、iPad Proに取り付けて使う視線追跡装置Hiruを紹介してきました。
視線追跡装置を内蔵したiPad Pro 12.9インチ用ケース【Skyle for iPad Pro】で視線入力を試す20210104_#0544(YouTube動画へ)


Tobii Dynavox社のTDパイロットにインストールしたアプリ(ゆびつむぎ、ごじゅーおん、Safari)を視線入力で操作する20221010_#0764(YouTube動画へ)


視線追跡装置HiruをiPad Pro 12.9インチ(第4世代)に接続して視線入力を試してみました20210806_#0594(YouTube動画へ)

2022年1月9日のブログオンラインで使える視線入力コミュニケーションボードのUIが興味深い件で紹介したWebアプリhttps://communicationboard.io/ を開発したJeffrey Ebinさんから、「2023年3月16日にフツーのiPadのインカメラで視線入力できるVOCAアプリEye Gaze Communication Boardをリリースしたよ」という知らせが届きました。
AppStoreのiPad用EyeGazeCommunicationBoardアプリ
Jeffrey Ebinさんによると「Eye Gaze Communication BoardはiPadで使ってもらうことを想定して作ったけれどiPhoneでも使えるよ」とのこと。
App Storeで探したところiPhone版もありました。
iPhone版EyeGazeCommunicationBoardアプリ
視線追跡装置Eye TrackerとしてiPadやiPhoneのインカメラを使う仕組みです。
使い方はシンプルで、https://communicationboard.io/ と同じように画面に表示された32枚のシンボルの中から自分が音声出力したいシンボルを選ぶだけで、自分の代わりにiPadがしゃべってくれます。
ただし、一般的な視線入力のようにマウスポインタを動かすのではなく、アプリ画面の両側に表示されている矢印を見てシンボルを32枚→16枚→8枚→4枚→2枚→1枚と減らしていき、最後に残ったシンボルの音声を出力させるという仕掛けになっています。
EyeGazeCommunicationBoardアプリに視線で入力
と文字で書いても分かりづらいので、解説動画を作ってYouTubeにアップしました。
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視線入力できるiPad用VOCAアプリEye Gaze Communication Boardの紹介20230316_#0836(YouTube動画へ)

最初にダウンロード&インストールしたiPadは、iPadOS16.3のiPad Pro 11.9インチ(第3世代)だったのですが、選んだシンボルの音声が出力されませんでした。
他の機種も試した結果、ちゃんと音声が出力されたのはiPadOS15.7.1のiPad(第10世代)でした。
そのことをJeffrey Ebinさんにも伝えましたが、その理由は分からないそうで、次のバージョンで解決できるよう努力しますとのことでした。

VOCAアプリEye Gaze Communication Boardは、まだ日本語に対応していませんがWebアプリhttps://communicationboard.io/ ではできなかったシンボルの変更ができるようになっています。
ちょっと面白いUIに興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

なお、このブログ記事を書くにあたっては、Jeffrey Ebinさんからの許諾を得ています。