2023年11月27日(月曜日)青森県立D養護学校からの依頼で、在籍する子どもたちへの学習におけるe-AT活用に関するコンサルテーションに行ってきました。
備忘録として、また、該当校の皆さんに振り返っていただくため、数回に分けて書いていきたいと思います。
学校外観とスクールバス
D養護学校に青森県教育委員会からGIGAスクール構想で配備された学習者用タブレット端末はiPadで、小・中・高等部の児童生徒全員に1台ずつ配備されていましたので、その活用についての相談がメインでした。
教材室には以下のような支援機器がありました。
教材室にあるツール01
教材室にあるツール02
最初の相談は、3課程(自立活動を主とする教育課程)で学ぶ小学3年生の子どもたちへのiPad活用についてです。
通常は4名の子どもたちが一緒に学習しているそうですが、当日は2名が欠席でした。
言葉での簡単なやり取りができる子もいるそうですが、発声で応答できる子どもがいるなどコミュニケーションに関する実態に差があるそうです。
そこで、担当のK先生は学研が以前出していたデジタル絵本を使用して、プロジェクターからホワイトボードに投影した絵本の読み聞かせを行い、その内容を質問してiPad版Keynoteで作った質問肢から答えてもらうという授業をしておられるとのことでしたので、その様子を見学させてもらいました。
一人ずつ読みたい絵本を選びます。
読みたい絵本を選ぶKくん
画面タップが可能な子どもたちだったので、K先生がiPad版Keynoteで作ったコンテンツの中から選んでいました。
デジタル絵本をプロジェクターからホワイトボードに投影して、それを読みます。
デジタル絵本「てぶくろ」を読む
デジタル絵本の読み上げが終わると、K先生が「◯◯していたのは誰でしょう?」といった絵本の内容に関する質問をして子どもたちはそれぞれ答えていきます。
質問に答えるTくん01
選択肢2つの中から選べた子は選択肢が増えていきます。
質問に答えるTくん02
K先生から「授業で使っているデジタル絵本はもう入手できなくなっているので、他に教材はありませんか?」と尋ねられましたので、「iPadアプリOur Story 2を使って、子どもたちと一緒に作ってみてはいかがでしょうか。図書室に行って子どもたちに読みたい本を選んでもらうことはできるでしょうし、画面タップができるのでiPadで絵本のページを撮影することもできると思います。」と答えました。
Our Story 2のアプリアイコン
Our Story 2で絵本を作る方法はコチラのYouTube動画で解説していますので、参考になると思います。
 ↓ ↓ ↓
iPadアプリ【Our Story 2】でデジタル絵本を作る方法20200615_#0467(YouTube動画へ)

デジタル絵本を作って読むことができるiPadアプリOur Story 2の使い方20220223_#0666(YouTube動画へ)

Our Story 2は、スワイプ操作でページをめくりますので、児童によっては難しい場合があるかもしれません。
その場合、iPadOSのアクセシビリティ>タッチ>Assistive Touchのカスタムジェスチャを使えば、K先生が購入したスイッチ改造Bluetoothマウスや教材室にあるi+Padタッチャーに接続したアクセシビリティスイッチ入力でスワイプすることができるようになると思います。
改造マウスとスイッチ
i_padタッチャー
i+Padタッチャーを使う方法はコチラの動画が参考なると思います。
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iOSのアクセシビリティ機能【Assistive Touch】の利用と設定方法⑤カスタムジェスチャを利用して、i+Padタッチャーと外付けスイッチでページめくり20190501_02#0346(YouTube動画へ)

また、教室内にはひらがな文字で表記されたカードなどがあるので、将来的には文字によるコミュニケーションをねらっているものと思われます。
そこで、質問肢のアイコンに絵だけでなく文字を併記してはどうでしょうかとお伝えしました。
その積み重ねによって、将来的にはiPadアプリごじゅーおんやごじゅーおんキーボードを使って文字入力できるようになるかもしれません。
ごじゅーおんアプリの画面
【ごじゅーおん】キーボード
他のアプリでごじゅーおんキーボードを使えるようにするための設定方法はコチラが参考になると思います。
 ↓ ↓ ↓
iPadアプリ【ごじゅーおん】のキーボードを他のアプリで使えるように設定する方法190816(YouTube動画へ)

今日のところはココまで...