2023年11月27日(月曜日)青森県立D養護学校で行ったe-AT活用に関するコンサルテーションの備忘録第2弾です。
第1弾はコチラ
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青森県立D養護学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録①〜iPadの画面をタップして質問に答える
質問に答えるTくん02
2番目の相談は、1課程(通常の学級の教育課程に準ずる教育課程)で学ぶ小学3年生HさんのiPad入力についてです。
Hさんは、筆記具を持って文字を書くことに困難さはありますが、当該学年の漢字を読むことができるそうです。
iPadのスクリーンキーボードを指でタップしてひらがな入力ができますが、ねらったエリア以外をタップしてしまうことがあるそうです。
発話可能なので音声入力もできますが、発音が不明瞭になることがあり、iPadが正しく認識しないことがあるそうです。
つまり、文字を入力するのに時間がかかったり、やり直しをしたりすることがあるため学習効率が悪くなり、理解しているのに時間内に解答できないという悩みがあるわけです。
そこで、担任のH先生はiPad版Keynoteに撮影したテスト問題を表示し、問題文を聞き直すことができるような音声コンテンツを挿入し、解答欄にテキストボックスを作って答えやすくなるような工夫をしておられました。
相談02-06Keynoteで作った解答コンテンツ
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スピーカーアイコンをタップすると録音したH先生の声で読み上げます
この教材を使ってHさんが解答している様子を見させていただきました。
録音された問題文を聞く
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人差し指以外が画面に当たらないように工夫した手袋を使っているHさん
テキストボックスを出すためにATを起動
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Assistive Touchのダブルタップ機能を利用してテキストボックスにすぐ入力できるようにしています
テキストボックスに文字入植して解答
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標準のスクリーンキーボードを利用してテキストボックスに解答を書き込む様子
テスト問題を読み上げたり文字入力するためにKeynoteで作っているコンテンツは、Hさんの知的理解力や表出能力から考えて妥当だろうと思います。
Hさんは、Keynoteのコンテンツで「何を」「どのように」操作しなければいけないのかは分かっていますが、入力ミスした後のリカバリーがうまくいかないことがあり、時間がかかってしまい、学習後はかなり疲れた様子を見せていました。
したがって、時間延長をしたとしても入力時に力が入ったり入力ミスがあるために疲労感が増加するだけのように思います。
そこで、iPadOSの機能だけでは解決できそうにないので、外付けのタッチパッドを利用したりテクノツール株式会社らくらくマウスのような代替マウスを試してみてはどうかと提案しました。
持参していたiPadにタッチパッドが付いていましたので、Hさんに試してもらいました。
使い方はすぐに理解したHさんでしたし、入力ミスもありませんでした。
ただし、わずか数分でしたので、疲労度や入力効率が向上するかどうかは分かりません。
後ろ髪を引かれる思いで次の教室へ...

※給食時間にHさんが「トラックパッドは使いやすかった」と話していたそうです。
学校予算で準備してもらえると良いのですが...