2023年11月27日(月曜日)青森県立D養護学校で行ったe-AT活用に関するコンサルテーションの備忘録第3弾です。
第1弾はコチラ
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青森県立D養護学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録①〜iPadの画面をタップして質問に答える
質問に答えるTくん02
第2弾はコチラ
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青森県立D養護学校におけるe-AT活用に関するコンサルテーション記録②〜iPadの画面をタップするのに時間と労力がかかる場合、別の入力方法も試してみると良いかもしれません
テキストボックスに文字入植して解答
3番目の相談は、2課程(知的障害特別支援学校の教育課程)で学ぶ中学1年生YくんのiPad入力についてです。
Yくんは、不明瞭ながらも音声言語による簡単なコミュニケーションができる子どもさんです。
しかしながら、iPadの画面をピンポイントでタップすることに難しさがあるので、スイッチ4ドロップクリップアーム棒スイッチを接続して、iPad版DropTalkのスイッチコントロールを利用して入力していました。
A先生が提示した給食メニューを見て、同じアイコンを選ぶという学習を見せてもらいました。
棒スイッチ入力の様子
YくんはA先生の質問とそれに対して答える内容は理解しているのですが、クリップアーム棒スイッチに入力すると力が入りすぎてチャタリングが起きてしまう上にグースネックのため固定がズレてしまいます。
そこで、A先生がアイコンの決定用として使っていたおにぎりケーススイッチのような押しボタンタイプのアクセシビリティスイッチを使うほうが良いように思いました。
おにぎりケーススイッチをテーブルに養生テープで固定して入力してもらったところバッチリ!
おにぎりケーススイッチ入力の様子
また、アイコンの選択はYくんがクリップアーム棒スイッチ入力で行い、決定はA先生がおにぎりケーススイッチ入力で行なっていましたが、Yくんの理解力から判断すると、選択も決定も一人でできるのではないかと思いました。
Yくんは頭を自由に動かしていましたので、教材室にあったスペックスイッチを持ってきてもらい、それを付属のベルトでヘッドレストに固定して試してもらいました。
スペックスイッチの固定方法
左手で入力するおにぎりケーススイッチでアイコンを選択し、ヘッドレストに固定したスペックスイッチを頭で押して決定するということができて、Yくんは満足そうな様子でした。
その後、iPadの画面を直接タップすることもできるのではないかと思って試してもらいましたが、タップしては困るエリアをタップしてしまったりスワイプしてしまってコントロールセンターが表示されたりAppスイッチャーが働いたりしていまいます。
そこで、マルチタスクジェスチャをOFFにしたりiPadOS17から搭載されたアクセシビリティ機能アシスティブアクセスを利用する方法があることをお伝えしました。
アシスティブアクセスの設定はコチラの動画が参考になります。
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How to set up Assistive Access on your iPhone or iPad | Apple Support(YouTube動画へ)

最後に、A先生から「Yくんがどの程度見えているのかが分からない」ということを聞きましたので、その評価をする意味でも視線入力を試してみることをオススメしてコンサルテーションを終了しました。

以上で、青森県立D養護学校におけるe-AT活用のコンサルテーションの備忘録は終了します。
お世話になった皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。