2024年3月16日(土曜日)〜17日(日曜日)に開催された社会福祉法人 日本肢体不自由児協会主催肢体不自由のある子どものWindowsとiPadOS活用講習会の備忘録第4弾です。
講義中の伊藤さん
講習会1日目の3月16日(土曜日)PM【iPadOSアクセシビリティ機能紹介】の次は、伊藤 史人さん(島根大学)による【重度障害児と視線入力〜アート活動から学習利用】【重度障害児とeスポーツ〜誰も取り残さない方法】の講義でした。
これまでに当ブログでも紹介してきたように伊藤 史人さんの研究室で開発・無償頒布してある入力練習アプリEyeMoT Sensoryを活用したアート活動をまとめた冊子の紹介から
視線入力アート本
この冊子を作った基になったのは、これまで「できない」「わかっていない」と評価されてきた子どもたちの保護者や教員があきらめずに取り組んだことです。

その取組の中から視線入力アートが全国各地で描かれています。

さらに、絵を描くだけでなく、eスポーツにも取り組めるように開発されたインクルーシブアプリEyeMoT 3DXシリーズを活用したeスポーツ大会のことが紹介されました。

また、2023年9月3日に開催されたウルトラユニバーサル野球大会のことについても紹介されました。

最近の研究の一つとして振動がもたらす効果のことについても話され、現地ではEyeMoTソニックを参加者に試してもらいました。
EyeMoTソニック体験中
その中で、視線入力がもたらす「過剰評価」と「過小評価」という点について話されました。


重度重複障害児の場合、視線入力の悩ましい特性として以下のことがらがあります。

①利用環境や目の状態で検出できないことがある
②表示情報に興味がなければ画面を見ないことがある
③眼球を検出できれば入力が成立してしまう
④目の動きを正しく客観評価することが困難である
⑤偶然の結果にぬか喜びしがちである

その結果、『できていない』と過小評価しがちになる(①②)

また、『できている』と過剰評価しがちになる(③④⑤)
視線入力の悩ましい特性
上記のことを踏まえた上で導入していくことが支援者に求められますね。
以上で、1日目の内容は終わります。