2025年度も愛媛大学教育学部特別支援教育講座教授苅田 知則さんからの依頼で、2025年8月25日(月曜日)と26日(火曜日)の2日間、授業科目【代替コミュニケーション論】の集中講義を担当させていただきました。
愛媛大学正門
通常、大学の集中講義は30時間(愛媛大学の場合15コマ)で開講されますので、3日間通しの授業になります。
体力的にしんどいこともあり、27日(水曜日)の講義は福岡県教育センター指導主事の待木 浩一さんに担当してもらいました。
受講した学生は、1年生4名、2年生3名、3年生6名、4年生1名、大学院生2名の計16名。
Samが担当した1日目は、まず「特別支援教育とは」という話からスタート。
特別支援教育とは
文部科学省のWebサイトに書かれている文言をSamなりに噛み砕いて説明。
その上で、「ICTを含むe-AT活用の3つのポイント」として、主体的、対話的で深い学びを実現することに活かすため、困難さに着目することの重要性について話しました。
ICTを含むe-AT活用の3つのポイント
某特別支援学校で実際に行われた授業場面(朝の会と音楽)の動画を見てもらい、何を工夫すべきかについて考えてもらいました。
つづいて、「代替コミュニケーションとは何か」という話...
肢体不自由特別支援学校で初めて出会ったアテトーゼ型脳性麻痺による表出困難なYさんの事例を紹介。
Yさんが困っていたこと
IQ98あるYさんが困っていることのうち最大の願いが「誰にでも分かってもらえる表出手段の獲得」でした。
そこで、文字をタイプして発話する機能のあるWebアプリ3種(音読さん、OpenAI.fm、ごじゅーおんweb)を各自の情報端末機器で体験してもらいました。
音読さんを試す受講生
ごじゅーおんwebを試している受講生のPC画面
つづいて、Yさんのように文字をタイプするのが困難な場合、WebアプリCboardのように定型文を登録しておいてしゃべらせることのできるVOCAアプリの方が手早く意思を使えることができることを試してもらいました。
日本語表示したCboardのトップ画面
4種類のWebアプリを演習した後、Yさんに対して行った学習支援の方針を紹介。
Yさんへの学習支援の方針
Yさんの得意な動き(=左手)に反応するアクセシビリティスイッチに入力して文字をタイピングして合成音声でしゃべる練習に取り組んだ話です。
すぐに使い方を覚え、質問されたことに答えることができるようになったYさんでしたが、指導を始めて3週間後に「好きなことを書いていいよ」と言ったところ、彼女から返ってきたのは「書きたいことがないっちゃん」という言葉でした。
つまり、下図の②発信手段は獲得したYさんでしたが、コミュニケーションする上で肝心な「伝えたい」という①意思・意欲が育てることができなかったことに気付かされたのです。
コミュニケーションのメカニズム
そこで、意思や意欲を育てるためにSimple Technologyを活用した学習支援について話したところで午前の授業は終了。
今日のところはココまで...