ゴールデンウィーク明けの今日...
出勤して靴を履き替え終わったところ、3匹の金魚が入った水槽に目が釘付けになりました。
先週末に退勤する時には無かったので、不思議に思って近づいてみると
ゴールデンウィーク中に出勤した先生方へ

訪問学級で飼っている金魚です。
お腹が空いているはずなのでエサをあげてください。

訪問学級担任Kより
と書かれた紙が水槽の脇に置いてありました。
どうやら仕掛け人はK先生(とても発想が豊かな先生です)のようです。
さっそくK先生を見つけて、「玄関前にある金魚が入った水槽はKさんの?」と尋ねたところ「訪問学級で飼っている金魚なんだけど、ゴールデンウィーク中には出勤しないから飢え死にしたらいかんと思って貼り紙付きで置いてました。」との答え。
さらに「邪魔になるやろうけん、すぐに片付けますね。」と言われたので、「ちょっと待って!イイこと思いついたよ。せっかくやけん、このままにして面白いことやろうよ。」とストップをかけたのです!

思いついたのは、金魚のエサやりマシーン!!!

BIGmackなどのVOCAやJelly Bean Twist SwitchといったSimple Technology機器を開発・販売しているAbleNetという会社がアメリカにあります。
1994年頃…同社のVice President兼Exective DirectorだったPeggy Lockeさんが現任校に来られた時、とても感動されたのが【金魚のエサやりマシーン】でした。
当時は、乾電池で作動する自動車の電動オモチャにスイッチを繋ぎ、金魚鉢の端っこにエサ箱を置くという仕掛けでした。
重度・重複障害の小学生A君がスイッチ(当時はBig Switchを使っていました)に入力するとオモチャの自動車が走り出し、その自動車がエサ箱を押して金魚鉢にエサがまかれるという仕組みです。

Peggyさんは世界中を飛び回って、Simple Technologyの活用に関するセミナーを開催したり学会で発表されていました。
その彼女が「What an amzaing ! One boy with severe disability is serving feeds to goldfish using simple technology in Japan.」と驚愕の声を上げられ、何枚も写真を撮って帰国されたことが思い出されます。
それから数年たってPeggyさんとお会いした時、「金魚のエサやりマシーンは世界中で注目の的になってるわよ。」と言われ、A君の担任の先生と喜びあったものです。

そのことを思い出した今日...
Simple Technologyを利用した【金魚のエサやりマシーン】を復活させました!
昨年度まで勤務しておられたF先生(訪問学級の担当をしておられました)がこしらえておられたもので、100円ショップで販売されている電動ハンドミキサー(泡立て器)にBDアダプターとスイッチを繋いだものです。
K先生が訪問学級の教室から仕掛け一式を持ってこられてセットしたのがこの写真。
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IMG_5136
子どもたちや職員が通る事務室前に置いていたところ、さっそく、小学部の子どもさんがやって来て金魚にエサをやってくれましたので、その様子をYouTubeにアップしました。
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180507Simple Technologyで金魚のエサやり20180507_01#0166

学校では、動植物を育てる活動を通して、生き物の成長を喜んだり、見たり、触れたり、聴いたり、匂いを嗅いだりなどして動植物に親しみ、世話をするなかで、自分以外の相手を思いやる心を育み、豊かな人間形成の基礎を培うことをねらった学習活動が展開されています。
肢体不自由児の場合、動植物の世話をすることが困難なことが多く、教員が世話をする様子を児童生徒は見聞きしているだけのことが少なくありません。
しかしながら、動画のようにSimple Technologyを活用することで、児童生徒が得意な動作でスイッチやセンサーに働きかけて飼育活動に参加することが可能になります。

学校に限らず自宅でも、子どもたちがデキルこと(=得意なこと)で役割を担えるようになると良いなぁと思っています。